第23話

 零さんと共に本部の方へと戻ってきた僕たちであるが。

 今回の一件によるインパクトは想像以上に大きかったようで、上の判断には時間がかかるということで今回は一旦お開き。

 最低でも一日はじっくりと会議を行う必要があるとのことだ。

 本当に僕のやったことは大きなことだったみたい。あまり僕は実感ないけど、割りと僕の日常だし。

 

 とりあえず僕と真倉さんと有栖さんの三人で本部が呼びつけるまでは一緒にいるようにという命令を受けるだけで終わった。


「一緒にいろって言われたけどどうする?僕の家ってば基本的に何しても自由だからどこにでもいけるし、何でもできるよ?あぁ、ただし僕の家に何かをしに行くのはお勧めしない」

 

 本部を出てただの道を特にあてもなく歩く僕たちはこれからどうするかをダラダラと話しながら進む。


「そぉーだなぁ。うちも家には帰りたくねぇし、カラオケやボーリングに行くってのも何かな。既に疲れているし、。どこか休めるところ行きたい」

 

 僕の言葉に有栖さんは結構本気で疲れ果てているかのような声を上げる。


「あっ、それなら私の家に来る……?今、私の両親は一時的に海外へと出張中でいないけど」

 

 そんな中、真倉さんが具体的な提案を口にする。


「んっ。それじゃあ、お邪魔させてもらおうかな?」

 

 僕は真倉さんの言葉に乗っかる。


「うちも文句なしだ。というか現状を考えるとそれが一番の手だな。とりあえず行こうぜ、真倉も問題ねぇか?」


「うん、ないよ」


 有栖さんの言葉に真倉さんは頷く……まぁ、言い出したのだし、やっぱりダメはないよね。この時間間隔で。

 

「じゃあ、ありがたくお邪魔させてもらおうかな」


「うん。遠慮なく来てもらって良いわよ」

 

 僕の言葉に真倉さんが頷いてくれる。


「じゃあ、私の家に行きましょうか……ここからちょっと離れてて、バスに乗る必要があるけど」


「それくらい良いでしょ」


「せやな。別にうちも金がないわけじゃねぇ、金ないなら全員分出せる」


「おぉー、太っ腹ー」


「だろぉー?」

 

 同年代三人組。

 既に結構打ち解けている僕たちはダラダラと雑談を続けながら真倉さんの家へと向かうのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る