第10話
一体何をされるのか。
戦々恐々としていた僕であったが、やったことは機械などを使った精密検査、何をしているのかわからない何か呪術的な検査。
現代の技術に、昔からある謎の儀式。
それらを利用して僕の体の調査がやったことの主であり、何か僕がしたりとか、僕に危害を加えるようなものはなかった。
「……どうなっているんだ?」
数多の検査を受けに受ける僕。
「何故、こんなにもエラーばかりが重なるんだ……ッ!」
そんな僕を調べた結果……出てきた結果はすべてがエラー。何をしてもエラーになるんだそう。
一般的な医療に使われる機材を試しても出てくる結果はエラー。
最終的に出来た調査は聴診器で僕の心臓の音を聞くなど言ったような実に初歩的な調査だけであった。
「……じ、自分はどうすれば良いのでしょうか?」
「これはこちらの力不足だ……君は気にしないでくれ。うちの組織並びに日本が君に危害を加えることはないから安心してくれ」
「はぁ」
僕は自分の検査を色々と行ってくれた男性の言葉に頷く。
「とりあえず……君の調査は申し訳ないけど保留と言う形になると思う。これから先、君には二つの道が用意されると思う。祓魔士になり、妖と戦う道か……祓魔士にならず一般人として暮らすかの二択が」
「自分としてはどちらでも構いませんが、妖を個人的に狩るのを辞めるつもりはありませんし、手綱を握るという意味で自分を飼うのをお勧めしたいです」
「ちなみに妖をもう狩らないという選択肢は……?」
「ないです、絶対に」
妖は僕にとって大事な食料なのだ。
ゴロゴロと転がっている極上の食品を前にして我慢し続けろなどと一方的に言われても怒るし、言うことは聞きたくない。
「そ、そう。とりあえずは君の意見も含め、今回の話は上に流しておくね。……明日、君と一緒にいた真倉佐奈を伴ってうちの建物に来て欲しいだけど大丈夫かな?あまり車を出すのもリスキーなので、出来れば自力で来てほしんだけど……うちは表に出ない裏の存在なもんで」
「それくらいなら大丈夫ですよ。そんなに遠い場所でもありませんし。明日、高校終わりに真倉さんと共に来ますね」
僕は男性の言葉に快く頷いたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます