第9話
多くの祓魔士の前で大量の妖を食い散らかしてみせた僕。
そんな僕に対しての反応は当然というべきか、騒然としたものが非常に多く、緊急案件として祓魔士の中でもトップクラスの人のところへとお呼ばれすることになっていた。
緊急性は僕より低いとして後回しにされ、護衛として凛さんをつけられただけで家へと帰らされた真倉さんとは違い、僕は祓魔士の本拠地で。
「……えー、まずは……何から言うべきか」
多くのお偉いさん。
祓魔士のトップであるという女性にその他多くの有力者、何ならテレビで見たことあるような政治家すらもいる……僕の存在ってここまでの大問題なの?
「とりあえずは……そうだな……」
祓魔士のトップの位置におられる女性。
大巫女と呼ばれ、襖の奥に座っているその女性は僕を前にして困惑の表情を浮かべながら口を開く。
「現時点での問題は?」
「それはないですね。健康体です」
僕は大巫女の言葉にそう断言する。
「……そうか。じゃあ、次の質問。その強さの由縁は?」
「強さの由縁と言われても……生まれながらの身体能力としか言えないですね。幼稚園生くらいの段階で100m、世界記録保持者よりも遥かに早かったので、自分の身体能力が異常なのは認識し、目立たないようにはしてきました、が。これと言った理由は思いつかないですね」
「……生まれながらで、あると?」
「生まれながらです。自分はこの世に生まれたその瞬間から妖?とか言われている者が見えていましたし、生まれながらに食べていましたから」
「……生まれたときから?」
「自分の親ってばネグレクトなんで。妖しか食べるものなかったものでして」
「……そ、そうか。すまない。デリカシーに欠ける質問であった」
「それに関しては問題ないですよ。自分も気にしていませんから」
親がネグレクトで、クソ野郎……異常だ!
そう言われてきたし、そう言われるだけの理由があることは理解しているが、僕がそんなに困ってもないので放置。
気にもしていないからね。
別に解決も出来ないしね。
「そう言ってくれると助かる……それで、だ。建前とか説明とか抜きにして早速本題に入ろう。君のその体質が妖のせいである可能性がある。ちょっと調査させてもらう必要がある」
「……はぁ」
僕は真面目に告げる大巫女さんの言葉にただただうなづくことしか出来なかった……僕は一体何をされるの?
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