第4話

 いつも通り食料を追いかけて腹を満たしたと思ったら、自分のクラスメートと出会い、そしてあれよこれよという間に自分の知らぬ大きな建物と半ば拉致のような形で連れてこられた僕。


 訳も分からぬ状況であるというのにも関わらず、どれだけ図が太いのか。

 こんなどこかもわからぬ場所で普通に勉強を教えてくれない?と言ってきたあまり話したこともないクラスメートである真倉さんの言葉に快く頷いた僕はお菓子を食べながら真倉さんへと勉強を教えていた。


「仲睦まじい様子のところ……申し訳ないが少々話しても良いだろうか?」


 そんな最中、僕たちがよくもわからぬままに通された部屋へと一人の女性が入ってくる。

 女性の後ろには僕たちをここまで連れてきた少女の姿もある。


「色々と言わなければならないことがあるのだが……その前に一つだけ。君が、食べているそれは……?」


 入ってきた女性は僕の手にあるお菓子を指差し、疑問の声を上げる。


「……ん?自分のおかしですか?」


「お、お菓子……そうか、そうなのか……た、食べられるの、かぁ?」


「え?ま、まぁ……問題なく食べられますが。美味しいですよ?小さいころからの僕の食料です」


「……そ、そう」

 

 聞かれた言葉に答える僕の言葉を聞いた女性の顔がどんどん引き攣っていく。


「自分のお菓子のことはひとまず良いでしょう?」

 

 僕は手に持っていたお菓子を仕舞いながら口を開く。


「僕は何の説明も受けていない状況下で半ば拉致のような形でここに連れてこられているんです。至極当然の権利として、現状についての説明を願いたいのですが?そもそも食べておいてなんですが、自分はあのちょっと見た目がグロテスクな彼らが一体何者なのかよくわかっていないですし……なんかみんな見えていないし、検索しても見える!って人はほとんどいないですし」


 僕の食料として大活躍してくれているあの少しだけ見た目が不気味な奴ら……彼らは驚くほど人々の話題に上がらない。

 彼らなんてどこにでも漂っているのだし、彼らを食べるだけで食糧問題なんて簡単に解決する……貧困とか飢餓とかが起こっている理由がいまいちわからん。

 

「……そうか、そうなのか。う、嘘じゃないみたいだし……う、うん。そうね。そう。確かにまずは説明からね。少し長くなるけど良いかしら?」


「えぇ。どれだけ長くとも詳しく聞きたいですよ?僕は」

 

 僕は困惑しながらも言葉を述べる女性へと自分の意見を述べる。


「……え、えぇ?」

 

 なんで僕の隣に座っている真倉さんは僕の方を見ながらドン引いたような声をあげているの?

 

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