第4話 やべぇ女

よし、今日から隣のヤツのことはやべぇ女ってことにしておこう。関わらないほうが良いかもしれない、いや絶対にそうだわ。


「ねえ?ダーリン?こっち見てよ〜?」


「嫌だわ、一気に関わりたくなくなったわ」


「もう!照れ隠しが上手なのね!」


「もうやだぁ(泣)」


やべぇ女の相手をしていると陣内がなぜか気まずそうな顔でこっちに来た。


「ね、ねえ、富川さん?」


「・・・なに?」


「え、えっと・・・」


「要件がないなら話しかけて来ないでほしいわ」


「あ、そ、そっか〜ごめんね〜・・・」


陣内は泣きそうな顔でとぼとぼ帰っていた。一体どうしたんだろうか?


「さてと・・・ダーリン!ぎゅーして!」


「い や だ」


やべぇ女は頬を膨らませているが俺はそいつを無視してトイレへと向かう。


「どこに行くの?私もついていくね!」


「ついてくるんじゃねえ!」


そう強く俺は言うと彼女は目に涙をためて上目遣いでこっちを見てきた。


「私とは・・・遊びだったの?」


「まず遊びも何も話しただけなんだが?」


「そう・・・ダーリンは浮気するってこと?」


「おい!どういうことだよ!?まず大前提として俺たち付き合ってねえだろ!」


「私はダーリンのこと愛しているのに?ねえどうしてなの?私のものにならないなら一緒に死のうね!ダーリン愛してるよ」


そう言い出したので俺はハグしてあげた・・・これが本物のヤンデレってやつか・・・あ、やべぇ女のゲージが黒く染まっている。


  *


こんな大変なこともあり俺はめんど・・・ごほんごほん!用事があったので早退した。先生は心配そうにしていたが他の生徒は俺のことを睨んでいた。その後やべぇ女も早退しようとしていたが流石に止められてた。


好感度ゲージはどうしたかって?いまじなりーふれんど君も知りたいのかい?って言っても特にわかってないけどな。ただあまり好感度は上がらないということ、たまに黒く染まる。どういうことだってばよ。


俺今日帰ったら昼寝するんだ・・・!という死亡フラグを立ててみるが流石にこの時代に地雷とか危ないものはないため回収されることはないだろう。


「あー!見つけた!!」


「へっ?」


「やっと見つけたよダーリン♡」


【悲報】死亡フラグ回収早すぎて草


「なんでいるんだよ!?」


「そりゃ・・・ダーリンを追いかけてきたんだよ?」


「そういうことじゃなくて・・・」


「どうやって抜けてきたかでしょ?頭が痛くなったから帰らせろって言ったら帰らせてくれた」


そうだった・・・!うちの学校結構ゆるいからな・・・


「なんで追いかけてきたんだ?」


「デートするためだよ♡」


「却下」


「えー?なんでー?」


「流石に学校にバレるだろうしあと疲れたから家に帰って寝たい」


「あーお家デートも良いね!」


「そういうことじゃない」


とりあえず家に帰ろう。もう疲れた・・・


俺はちらっとやべぇ女の方を見る。彼女はキョトンとしていて小首をかしげている。顔はとても整っていてうちの学校では人気がありそうだが塩対応なので近寄りがたい。俺もこんな子と仲良くなれるのは嬉しいが性格に難がありすぎる。


「残念なやつだよお前は・・・」


「どういうこと?あとお前じゃなくてハニーって呼んでって言ったじゃん!」


「ほんとそういうところだよ」


俺はやべぇ女を無視して歩き出す。案の定彼女も後ろをちょこちょことついてきた。

流石に飲み物くらいは出すか・・・


「・・・飲み物くらいは出すよ」


「・・・!そっか〜やっぱりダーリンは優しいね♡」


「変なことした瞬間追い出すからな、あと飲み物出すだけだから」


「も〜そんなこと言って〜顔が赤いよ〜?むふふ〜」


「はあ・・・」


なんでこんな女に好かれたんだろうか・・・ってこれ俺のせいだな。


あ と が き

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