【テンプレその四】魔法について

「今日は重要なお話をします!」

「「いえーい、どんどんぱふぱふー!」」

「いつになくノリが良いですね。気味が悪い」

「女神様、辛辣ー」

「日に日に毒舌になっていってるー」

「そのお話とは、ズバリ、魔法についてです!」

「「……」」

「結局は今日も無言になるんですね」


 もう魔法とか、そういうのいいんで。お腹いっぱい。


「お腹いっぱい!?人間は魔法への憧れが強い生き物なのに?」

「いや、個人差があるというか」

「せっかくMPあるんですし、魔法使いましょうよ。ね?」


 そこまで言うなら仕方ないな。話ぐらい聞くか。


「魔法使い方は、脳内でイメージを造り上げ、それを魔力で形にします。以上」

「とてつもなく簡潔な説明だな」

「しかもよく聞く内容だよね」

「付け足すと、理論上ではどんな人でも全ての属性を扱えます」


 属性という概念もあるのか。ますますゲームっぽいな。でも、理論上とは……?


「例えるなら、学校の授業ではたくさんの教科を学びますよね。その中で、数学が苦手だとします。でも、苦手だからといっても、初歩の初歩くらいはわかるはずです。1+1=2とか。」

「苦手な属性でも、初歩の魔法なら大抵の人は使えるってことか」

「そういうことです。高度な魔法になると、それぞれの得意な属性で使うことが多いですね」


 一人一属性とか、炎の魔力持ってないから炎の魔法は一生使えないとか、そういう世界線ではないのか。


「魔力量、いわゆるMPは、成長につれ増えていきます。HPも増えますね。お二人にこの前決めて貰ったのはあくまで初期値なので、まだ増えます」


 まだ増えるの!?MPとHPが合計100になるように調整したのに、そのバランスが崩れるのか。それは嫌だな。


「MPの増加を阻害する闇魔法も存在はしますよ。自分にかける馬鹿はほぼいないでしょうけど。そもそも禁術ですし」


 一応、闇魔法も候補にいれとくか。リスク高いからやらないだろうけど。


「魔法を使えばMPは減りますが、寝たりポーションを飲んだりすると回復しますね」

「「あるあるだ」」

「MPを使いきると気絶もします。これを繰り返すとMPの上限も上がります」

「「やっぱりあるあるだ」」

「ま、この方法はおすすめしませんけどね。寿命縮まりますし」


 さらっと怖いこと言ってくるな。この方法試してる転生者たくさんいそうだけど、みんな短命になったってこと?


「転生者は寿命を伸ばす方法を見つける人が多いですし。だいたいは長生きですよ」


 そうなんだ。なら一安心か。って!?


「「他にも転生者がいるの!?」」

「勿論ですよ。ちなみにお二人は第四期転生者です。第四期転生者は他に四人いて……」

「「ストップストップ」」

「俺達が死んだのって、女神様のミスって言ってたよな?」

「でも、他にも第四期転生者がいるってことは、同時に何人も死んだってこと……?」

「そんな一気にミスすることあるのか?」

「「もしかして、意図的に死なせた?」」


 女神様が黙りこむ。そして、呼吸を整えてこう言った。


「はい、意図的に死なせました。」

「「やっぱりそっかー」」

「転生者を定期的に送り込み、世界を発展させる。そのために」

「「だいたいわかったんで。もういいよ」」

「最後まで言わせてくださいよー!!」


 謎の使命のために転生する。やはりテンプレな理由なのだった。

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