【テンプレその三】顔面偏差値
「お二人が昼寝してる間に、勝手に残りのステータス決めましたからね!文句は受け付けませんよ」
マジか。せっかく芸術的なステータスを作ろうと思ったのに。
「お次は容姿を決めていきたいと思います」
「容姿もまた難しいよね」
「美形も平凡も不細工もよくある設定だしな」
「今までにない容姿を考えるとか無理ゲーだよね」
「あれは?俺の考えた最強の○○みたいな厨二病満載の黒歴史確定のやつ」
「実際に自分がその見た目になるの恥ずかしくない?」
「でも他人と被りにくそうじゃん」
ふむ。さすがに厨二病は嫌だ。しかし被らなさそうなのは大いに同意。
「赤い目とか、厨二っぽくね?」
「ちょっとサイコ味あるやつか。髪の毛は金とか銀とか何か光ってそうな色が良さそう」
「黒いメッシュ入れよ」
「お二人とも同じ系統の見た目にするのですか?」
「「まあ、そんな感じ」」
「では、お二人を双子として転生させましょう。それなら見た目が瓜二つでも不自然ではないですし」
双子か。まさかの血縁関係になっちゃうのか。
「てか肝心の顔面偏差値どうする?」
「色味を厨二にしたらさ、美形じゃないと浮くよね」
「あえて平凡顔にするとか」
「「女神様はどっちが良いと思う?」」
「推定がとれてる……!しかも私の意見も聞いてくれるのですね……!ということは、私の性癖を詰めても良いということですね」
女神様が感動し始めた。しかもウキウキで性癖詰めようとしてる。女神様にも性癖という概念が存在したのか。
「お二人の意見を尊重して、目は赤、髪の毛は……銀髪にしましょう。あと、黒のメッシュを一筋。大きめの瞳で、ジト目も良いですね。下睫毛もくっきりにしちゃいましょう。頬は少し血色感を薄めてお人形さん風に。でも唇は血色感を入れつつぷるぷるに。首筋はすっと細めに、なんなら全身細めのスラッとした体型にしましょう。あ、肌は色白にしないと」
めちゃくちゃ饒舌だな。今までで一番、女神様が語っているよ。あと普通に美形になりそう。
「ふっふっふっ。このビジュアルになれば、お二人ともモテること間違いなしです!」
「「モテ要素とかは別に良い」」
「な、何故です!?」
「モテてハーレム築くとかテンプレすぎるから嫌だ」
「そんなテンプレぶち壊せば良いじゃないですか」
ぶち壊す……!それだ!!
「確かにこれから先、テンプレに遭遇して逃げられないかもしれない」
「それでも、正面からぶち壊せば良いのか!!」
「「女神様!気づかせてくれてありがとう」」
「わ、私は女神ですし?その程度朝飯前ですよ。もっと褒めてくれても良いのですよ」
うん、すぐに調子に乗る。チョロい。そこも含めてイジリがいがあるんだよね。
「せっかくですし、作戦名付けちゃいましょう」
「「作戦名?」」
「名付けて、『転生双子によるテンプレぶっ壊し大作戦』」
「長っ。そしてダサッ」
「内容のまますぎ」
「辛辣すぎません!?」
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