第24話競馬の勝ち方in90年代

ちょっと昔を思い出した。海城高校の1、2年生のころ学校に馴染めず、麻雀や競馬ばかりやっていた。阿佐田哲也の「麻雀放浪記」シリーズの小説を読み漁り、ついでに「競馬放浪記」という小説も読んだ。


麻雀の腕前はすぐに上達したが、しょせん高校生が小遣いを取り合っているだけである。麻雀はやがて飽きて、世の中全体と勝負できる競馬にのめり込んで行った。


競馬の必勝法はいろいろ研究したが、行き着いたのが「関西馬の多頭出し」である。90年代当時はまだ、栗東に坂路ができたばかりで美浦にはなく関西馬が競馬界を席巻していた時代。そこで目をつけたのが、関西馬同一厩舎の同一週の多頭出走である。


たとえば、関西のある厩舎が1週間に関東に6~7頭の競走馬を出走させたとする。土曜日に3頭、日曜日に4頭という具合いに。その場合、まず土曜日の成績を見る。土曜日の3頭が全部5着以内に入るような成績なら、その厩舎の本気度は高いと見る。そして、日曜日の4頭で比較的人気がなく、それでいて勝てそうな馬にベットするのである。


関東馬と関西馬の実力差がなくなった2024年現在では通用するか分からないやり方だが、1990年代ではこの賭け方でそこそこ上手く行っていたのだ。


海城の1、2年生時代は美少女との交際よりも麻雀や競馬にハマっていた。本当に退廃していたと思うが、海城高校でのストレスやすでに精神病が始まっていた可能性もある。射精より射幸心の方が楽しかったのである。

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