『栄光の弦楽猿合奏団』 最終回のおわり
ヘレナ王女さんは、もとから、あれかこれか?
という話にはならないだろう、と、考えてはいたらしいのです。
それは、ヤマーシンさんが、後から聴いた話でした。
議長さんと、ヘレナ王女さんは、話し合いをして、一定の結論に至りました。
『タルレジャ王国』の本体は、異世界に帰る。
ただし、今ある小さな島は、そのままでよく、今の人口までの人類が地球で生活するのを、猿族は認める。
人類は、けして、猿族を攻撃しない。
猿族は、けして、人類を攻撃しない。
猿族も人類も、地球環境を維持し、守る。
猿族は、タルレジャ王国本体と島が、人の往き来をすることは認めるが、食料品、衣料品、医療品など以外の、許可の無い物資、特に武器や麻薬の輸送は禁止し、事前に必ず、猿族の了承を得ること。
『猿族人類政策技術協力平和委員会』を作り、さらなる関係のあり方、また技術協力などについて、広く協議する。
猿族議長と王女は、友好関係の構築に、ともに責任を分かち合い随時話し合うこと。
また、お互いの議会で承認を得たら、この条約は発効する。
それまで、互いに使節団を駐留させることとする。発効後は、互いに大使館を置く。
などでした。
なお、タルレジャ王国の国王さまと王妃さまは、人前にはけして現れない決まりになっています。(他のおはなしをご参照ください。)
さて、それで、記念セレモニーが企画されました。
猿族の首都、いま地球上に残される数少ない『住める土地』にある、ニュー・イースの中央ホールと、タルレジャ王国小島の市民ホール、での演奏会です。
すなわち、猿族と人類の合同合奏団、『栄光の
曲は、ドヴォルザークさまの『弦楽セレナードホ長調』、猿度弁さまの大曲『弦楽のための交響詩曲』初演。後半は、シベリウスさまの『アンダンテ・フェスティヴォ』。そうして、チャイコフスキーさまの『弦楽セレナードハ長調』です!
指揮は、猿族側は、楽団長の、ポッパーさま。人類側は、もちろん、ヤマーシンさまであります。
『アンダンテ・フェスティヴォ』は、グァルネリさまが、指揮をすることになりました。
さあ、どんな素晴らしい演奏会になることでしょうか!
きっと、明るい未来が拓かれることでしょう。
🙉🤝🧍♀️
おしまい
『栄光の弦楽猿合奏団』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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