第4話
今度は、財閥主催で第二回の人間と機械混合の麻雀大会が開かれた。ルールは前回と同じ。機械12体、推薦雀士12名、予選組12名。前回と異なり、機械雀士は人間に匹敵するどころか、超一流以外は大敗を喫することになった。
その打ち方は、有名な代打ち、雀ゴロを生き写しのようだ。そう行方不明になり死体となった博奕打ち達の様に。
準決勝での人間側の奮起もあり、決勝戦は機械1人間3となった。人間は現役最強と言われる代打ちと無敗の裏プロ、予選で圧倒的な成績で通過した無名の雀ゴロ。接戦になるという予想に反して、無名の男の圧勝で終わった。超一流のプロですら軽くあしらわれた感じだった。優勝後はコメントはたった一言「今日はついていた」と言って、賞金を手に去っていった。
財閥は2回の敗北で解体の危機を迎えていた。ビジネスの世界でも弱きものは喰われてしまう。かれらは、この危機からの一発逆転を狙って、再びこの大会で老人と戦うことになった。
裕福層の中では有名になったこの大会には、さらに多くの参加者が現れ、多くのスポンサーも現れた。この大会の観戦者で世界の富の半分以上を所有しており、彼らの目に留まれば巨額な投資を受けることが出来る。さらに後ろ盾になってもらえれば、その恩恵は計り知れないものだ。ただの麻雀大会ではなく、セレブたちのビジネスのプレゼンテーションの場でもあった。著名な映画監督も雀ゴロに扮して予選を参加したが、残念ながら誰にも気づかれずに予選落ちしたりと、多くの人間が様々な方法で裕福層とコネクションを作ろうとした。こうなってしまえば、死臭で集まるハイエナのように、有象無象の輩どもが跋扈するようになる。老人を含め、本物の富裕層たちがこの大会に関わるのは今回が最後だろう。 あとは、成金や落ちぶれた富豪たちのサロンとなり、盆暗どもは、いずれ裏社会に喰い物にされるのだろう。それが分かっているから、まるでお祭りのような熱狂的には空気に包まれ、今大会の開催となった。
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