第二話 忌み子と反逆者

【反逆者】それは、忌み子を庇う者のことだ。

いかなる理由があったとしても、自らの意思を持ってして忌み子を庇った時点で、彼ら彼女らは反逆者とみなされ、忌み子と同じような扱いを受ける。


そして、今、彼女を、忌み子を庇っているロキは、反逆者であった。


「何でみんなしてレイアを虐めるの⁈ 仲良くしようよ! ねぇ!」


ロキは単身、数の暴力に立ち向かう。


『何故、彼女が蔑まれなければいけない。』


孤児院最年少、ロキの必死の叫びは、彼らの耳には届かない。


『何故、彼女が虐められなければいけない。』


彼らは駄々をこねる子供に言い聞かせるかのように、ロキに語りかける。


『彼女は悪いことなんて何もしていない。』


まだ幼い彼には、それしかわからない。

しかし、彼には、それだけで十分だった。


「それはそいつが忌み「レイアは何も悪いことをしてない! ただ髪が白くて、目が赤いだけだ!」子…」


ロキは叫ぶ、心の声を。


「…それが問題なんだよ、ロキ。」「ああロキ、可哀想に。忌み子に懐柔されてしまったのね…」「忌み子!ロキから離れなさい!」


ロキの声は、届かない。

彼らは、ロキを反逆者にしたくないのだ。

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