第11話

祖父の病室…

んん~ん~~

洋平の祖父は倒れて、意識不明のままだ

だが、夜中になると唸り声を発している

見廻りの看護師がその姿を目撃していた


見つけた…領主よ、父上と新佐様の仇を打ちに参りました

美しい容姿が禍々しさを際立ている

恨みから醜い表情になり、盤若のようだ

千代は幾度となく懐剣を洋平の祖父の胸に

突き立ては、不敵な笑い声を上げる

その度に祖父は唸り声を上げるのだ


そなたの家族に私の居場所を奪われそうじゃ…

離れに閉じ込めて…そなたの部屋に行けぬようになったぞえ

領主よ…地獄に落ちよ!!


千代は力いっぱいに洋平の祖父の胸に懐剣を突き立てた…刹那…心拍を計測する機械が反応をした


ピーピーピーピーピーピーピーピーピー

とけたたましく病室に響きわたる




同時刻…

夜は開かずの間になる離れから、人の悲鳴がする

そして、不敵に笑う男の声が重なり合う


洋平と同僚は、離れの物音で目を覚ます


バキバキ…ドタドタ…バタンバタン…

離れからけたたましく鳴る物音…

二人は祖母と伯父家族を起こし、離れに行く事にした

離れの襖を開けると

祖父に似た男が、若者を縛り上げて

首をはねようとしていた

庇うように老人が男の前に立ちはだかり…哀れかな…袈裟懸けに切り捨てられてしまった

そんな様子を美しい娘が見つめている

洋平達は驚き、襖を閉めようとする…閉まる瞬間、

洋平達を見た…そして、美しい容姿はみるみるうちに盤若になった


うわっ…バタン!!

洋平達は母屋に逃げ戻った

母屋と離れの仕切りの襖を閉めた時に

玄関から電話が鳴った…伯母が腰を抜かしつつも

玄関の方へ向かった




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