第9話

祖父を病院に運んだ後、檀家の寺に改装の件と

祖父の事を話に伯父と訪れた


そうじゃったかぁ…

昔から…そうじゃ…あの蔵を建てる時もな

かなりの怪我人を出してしまったと父親から

聞いている

そして、家長にも災いがあったそうじゃ


伯父と俺は顔面蒼白になった


今の家長は…かつての領主の分家から来ておるから


和尚さん…じゃ…

そこから先は聞きたくないと思った


ん?どうしたんじゃ?

そなたらは安心せい…誠司(伯父の名前)と洋平の母親は洋平の祖母の連れ子じゃよ


父さんは…和尚さん、なんとかなりませんか?

誠司はすがりつくように言った


二日後に洋平の仕事仲間が来るんじゃな


はい…


ん~~

誠司よ…父親の事は時間がかかるじゃろう

洋平、仕事仲間を連れておいで…改装の事を話そう



祖父が倒れ数日が経った

中庭の蔵が壊されていく…怪我人こそ出てはいないが、心霊現象が起こっていた

和尚さんの紹介で地元の下請け業者と契約できた


蔵の床下には井戸がある

井戸の供養をせにゃならん

よいか…あの中庭には不思議な事が起こる事を忘れるでないぞ

と言われ、護符をもらった

作業する者は護符を身につけて、蔵を壊している


工事が雨で休みになった…ちょうど大禍時になろうとする頃…

俺と同僚は中庭の見える窓から、工事の状況を眺めていた


あれ?

半壊した蔵の前に、着物を着た女性が佇んでいた

立入禁止にしていたはず…

俺はじっと様子を伺う


これ…洋平

祖母が後ろから声をかける


……!…ばあちゃん


見ちゃいかん…こちらにおいで

祖母は俺と同僚を仏間に連れて行った






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