第8話

実家にしばらく滞在する事となった

法要が終わった翌日に、会社から連絡を受けた


洋平君、すまんが君の実家の離れの施工を頼めるかね…二日後に担当の者が行くので、打ち合わせてくれ

上司の指示は断れない…わかりました


俺の職場は建設会社だ…仕事なら、致し方ないかぁ

だが…無事に離れと供養塔は完成するのか…不安だけしかない


おーい、洋平

和尚様に会いに行くぞ…

爺さんのしゃがれた声が広い廊下に響き渡る

俺は急ぎ、爺さんのいる居間に向かった


爺ちゃん…

ふすま越しに声をかける


ドサッ…ズッズズズ…グッググッ

居間から、物音がする

俺は襖を勢いよく明けた


爺ちゃん!

祖父に駆け寄る

物音は俺と祖父の周りを囲むように

部屋中に響いた

祖父は意識を失ったまま…

俺は隣の仏間に祖父を運ぼうとした

理由はわからない…だが、祖父を担ぎ上げた

居間と仏間の襖は開いていた

祖父を仏壇の前に寝かせ、伯父を呼びに仏間を出た

アッ…

居間から何かが来ないように、襖を閉じ出た


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