第4話 礼拝の後の昼下がり

 日曜日の礼拝の後。私は唯の部屋で子供食堂の時間まで時間を潰す。


 そう言えば唯が居ない。


「開けて……」


 部屋のドアの外から唯の声が聞こえる。私は嫌な予感の中でドアをそっと開ける。


「じゃん、布団虫だよ」


 それは布団にくるまって、ヒモで縛った姿であった。すると、布団虫とかした唯がよろよろと部屋の中に入ると。床に倒れ込む。


「起こして!!!」


 イヤ、違うだろ。このシスターは一回死ぬべきである。神様に再教育して貰い、純粋なシスターになるべきだ。


 私は渋々、唯を起こすことなく。布団のヒモをほどく。


 げ!下着姿だ。


 上下黒の極めてセクシーな下着だ。


 お前えはアホか?と、問いたくなる。


「私の将来の副業は女芸人になることです」


 こら、女芸人に失礼だ。


「とにかく、下着姿は不味い、服を着ろ」

「えーこれから、スクール水着に着替えるつもりなのに……」

「ダメだ、スクール水着はまた今度だ」


 私の指示に従い唯はノロノロと服を着始める。


 すると、上目づかいに寄ってきて。


「英語の課題教えて……」


 子供食堂にはまだ時間がある。結果、私は唯に英語を教える事になった。


 そして、英語の課題が終わり。再び暇になると。一葉さんが部屋に入ってくる。


 げ、シスターの制服だ。何度見てもエロい。サイズが小さいから体の線が出るのか?それ以上にコスプレ効果が有るようだ。


「あら、そんなに注視しないで」


 一葉さんが恥ずかしそうにしている。う……これは正に風俗のオプションだ。


 ま、風俗など高校生が行けるはずもなく。高校男子の妄想ではある。


「一葉さん、今日は私服に着替えないのですか?」

「分かっているくせに、サービスよ」


 だから、風俗のオプションみたいな事を言うな。大体、この姉妹は何処かずれている。それとも、シスターは皆こうなのか?イヤ絶対に違う。私が色々考察していると。


「お姉ちゃんはメス豚だから注意してね」


 唯……姉妹とはいえそれは禁句だぞ。私が唯をたしなめようか迷っていると。


「布団虫を手伝ってあげたじゃない。布団虫なら気になるあの人の心をがっしり掴むわ」


 確かにインパクトは絶大であった。しかし、布団虫など常識ではない。


「とにかく、一葉さん、私服に着替えて下さい」

「ブルマ姿の方がいいの?マニアックね」


 あああああ……。


 汚染されている。この姉妹がシスターなら神様はガッカリだ。私は普通の私服でと頼んで着替えてもらう事にした。


 一葉さんが着替えて再び唯の部屋に入ってくると。人生ゲームを手にしていた。


「これ子供食堂で不評なので持ち帰ってきました」

「お姉ちゃん、今から人生ゲームをするの?」

「丁度いいでしょ」


 しかし、この人生ゲームはかなりの旧式である。最後に貧乏農園エンドがあるタイプだ。


「よし、やろう」


 私の了承でゲームが始まる。


 ……。


 何故、私は結婚できない?これ旧式のはずなのに。ゲームが進むに連れて嫌になってくる。唯と一葉さんは大金持ちで私はサラリーマンのままである。


 高卒を選んだからか?だとしても、これはかなり旧式のはず。高卒でもビックになれるはずだ。


 ダメだ、お金が逃げていく。


 結果は勿論、貧乏農園エンドだ。


「さて、諸君、ビリは脱衣の罰ゲームだ」


 唯が紙お金を握りしめて演説を始める。また、脱衣の罰ゲームなのか?


『脱げ、脱げ、脱げ……』


 二人はキラキラした目線で言い放つ。そして逃げる救いの手など無く。パンツ一枚にされる。


「それでは撮影会の始まりです」


 唯の言葉に、私は首をブンブン振り、許しをこう。ふーう、撮影会はなんとか避けられた。


 私はこの姉妹を敵に回したら怖い事を学習したのだ。


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