第一幕を読んでの感想です。
結婚は人生の大きな転機ですが、それが突然決まったものなら、戸惑わずにはいられません。シャロンにとって、異国のような土地に送り込まれたこの結婚は、決して望んだ未来ではありませんでした。それでも彼女は、自分にできることを探し、状況に流されるのではなく、前を向いて歩もうとします。その姿がとてもまっすぐで、どこか眩しく感じられます。
新たな環境の中で彼女が向き合うのは、生活の変化だけではありません。すれ違う想い、言葉にならない期待や不安、周りにどう受け入れられるのか、それらすべてが、彼女の決意を試すかのように立ちはだかります。ですが、シャロンは持ち前のひたむきさで、その壁を乗り越えていきます。
対するリカルドもまた、理想と現実の間で揺れ動く人物です。領主という立場に縛られながらも、彼の胸の内には強い信念があり、それがシャロンとの関わりの中で少しずつ形を変えていきます。
「受け入れること」と「受け入れられること」は、決して簡単ではありません。それでも、共に歩む中で生まれる絆には、強さと温かさがあります。戸惑いながらも進む道の先に、どんな未来が待っているのか、最後まで見届けたくなる物語です。