不屈
こんな所で諦めるわけにはいかない、今できることを探せ。
そこまで思い至った俺は徐にステータスを表示させる。
【 名 前 】
【 称 号 】異世界人 疎まれる者
不撓不屈 アンリのおもちや
【 種 族 】人
【 年 齢 】16
【 レベル 】1
【 体 力 】31/80
【 魔 力 】200/200
【 精 神 】−55→−82
【 スキル 】火耐性Lv.3 精神耐性Lv.5→6
危険察知Lv.2 気配隠蔽Lv.1
雷耐性Lv.1New痛覚耐性Lv.2
New孤独耐性Lv.1
【固有スキル】ボックス▼
万物を異空間に収納する。
新しく耐性スキルを獲得しているな。
レベルも上がっているやつあるし。
俺はもう弱気にはならない。
先のことは分からないけど少なくとも今の俺はそのつもりだ。
「心で弱音は吐いても態度は強気に。」
これも母さんによく言われてたからな。
なら今後この世界でも強く生きていくために必要なことをしろ。
時間を無駄にするな。
状況を整理しよう。
今俺は、アンスリウムに逆らえない。
隷属の首輪を取れるかもしれない目処は経っているが実用段階とは言えない。
なら今は殺されないように努め、力を蓄えることが先決だ。
だが今魔物などを倒せない以上、俺自身のレベルは上げられない。
…それを加味して考えると今できるのは耐性スキルを上げることか。
固有スキルはアンスリウムがいない時を見計らってコツコツやって行くとしよう。
今上げられるのは、このまま爪剥がし&指を直でヤスられる事で上がる痛覚耐性。
正直これはやりたくない、想像で既に痛い。漏らしそう。。
後は命令から背いて、隷属の首輪から発せられる電流攻撃を浴びる事で上がる雷耐性。
どっちも嫌だけど強いていうなら電流がいい。
めちゃくちゃ痛いけど今なら多分気絶できるし。
ただ、体力が少ない今あの攻撃に耐えられるかが分からない。
雷耐性があるとはいえワンチャンそのまま死ぬ可能性もある。
はぁ…ってことは決まりだな。
俺はこれからアンスリウムによって行なわれることを想像しながら、深いため息を吐く。
流石に殺しはしないだろうと思いたい。
今日だけで終わらせるはずがないし。
アンスリウムが俺の左手に手を伸ばす。
抵抗すれば電流だ。
死ぬかもしれないからこのまま大人しく爪を剥がされるしかない。
無事な残りの手足は3つ。
まだ4分の1しか終わっていない。
恐怖で手が震える。
「うあぁぁぁぁあぁぅうっ」
「うわぁぁああああああぁああ」
「ハア…ハア…ハァ…」
左手、右足、左足。
既に剥がされた右手以外も順番に事を進めていくアンスリウム。
両足に関しては爪に剥がすことに飽きたのか、手っ取り早く剥がすためなのか、優に15キロはありそうな石をマジックバッグから取り出してきて、胸の高さくらいから俺の足先めがけて落とす。
地面と石の間に板挟みにされる俺の指は、骨は折れ、指先を動かそうとするだけで激痛が走る。
爪は割れて皮膚にそのまま食い込んだり、一見無事な爪も徐々に暗紫色に変色していく。
爪のダメージとまた石による打撃攻撃で、痛覚耐性のレベルが上がり、新たに打撃耐性と恐慌耐性を獲得したのは言うまでもない。
そこまで執行したアンスリウムは、今度は爪ヤスリと称して爪の剥がされたばかりの俺の過敏になっている患部を木を削るような粗い目の紙ヤスリで血が出るのもお構い無く削っていく。
指一本に2〜3分程だろうか。
無限に等しく感じるその間、俺は身体中のありとあらゆる体液を溢れさせながら絶叫する。
計20本の指全てにそれを施された俺は、終わる頃には息も絶え絶えになり、まさに死ぬ寸前だった。
流石にまずいと感じたアンスリウムは、いかにもファンタジーっぽい回復ポーションなるアイテムで俺を最低限回復させた後、器用に自慰行為しながらご機嫌な様子で帰っていた。
アンスリウムが部屋を出たのを確認した俺は、力が入らない身体をやっとの思いで動かし椅子から転げ落ちた。
体の末端の痛みから考える余裕もなく、自分の体液で汚れることも気にせず仰向けに寝転がる。
そして、今にも眠ってしまいたいのを我慢しながらステータスを確認する。
【 名 前 】
【 称 号 】異世界人 疎まれる者
不撓不屈 アンリのおもちや
【 種 族 】人
【 年 齢 】16
【 レベル 】1
【 体 力 】6/80
【 魔 力 】200
【 精 神 】−82→−100
【 スキル 】火耐性Lv.3 精神耐性Lv.6→8
危険察知Lv.2 気配隠蔽Lv.1
雷耐性Lv.1 痛覚耐性Lv.2→5
孤独耐性Lv.1New打撃耐性lv.1
New恐慌耐性Lv.1
【固有スキル】ボックス▼
万物を異空間に収納する。
火傷の事故以来の苦痛の末に大幅に上がっている耐性スキルを確認した柊は力無く笑って意識を手放すのだった。
_________________________
あとがき
明日は夜の1話投稿の予定です。
pm8:00
誤字脱字なども教えてくださると助かります。
☆・♡待ってます!
フォローも!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます