開示⑶



 陣内達に先を越された俺は1人ずつ水晶に手をかざす4人の背中を眺めながら、表示されるステータスを見詰めた。



【 名 前 】愛野雫あいのしずく

【 称 号 】異世界人 小悪魔

【 種 族 】人

【 年 齢 】15

【 レベル 】1

【 体 力 】700/700

【 魔 力 】400/400

【 精 神 】20

【 スキル 】呪い耐性Lv.1

       状態異常耐性Lv.1

【固有スキル】神聖魔法▼


 まさか愛野が聖女ポジションとは思わなかったな。

 それに体力高すぎだろ。

 固有スキルによって、スキルや体力、魔力にも反映されるのか?

 聖女だと生命力が高いとか。

 にしても顕著すぎるだろ。



【 名 前 】石川冴子いしかわさえこ

【 称 号 】異世界人 委員長

【 種 族 】人

【 年 齢 】16

【 レベル 】1

【 体 力 】200/200

【 魔 力 】1300/1300

【 精 神 】−5

【 スキル 】暗記Lv.7 思考加速Lv.1

【固有スキル】古代魔法▼


 賢者ポジションは石川さんね。

 頭いいからなんか納得。

 古代魔法が何かは知らないけど、多分強いんだろうな。名前的に。

 体力も高いけど、魔力が圧倒的すぎるよね。

 レベル上がったらどうなっちゃうんだろ。


【 名 前 】新田衛にったまもる

【 称 号 】異世界人 筋肉坊主

【 種 族 】人

【 年 齢 】16

【 レベル 】1

【 体 力 】1600/1600

【 魔 力 】150/150

【 精 神 】50

【 スキル 】身体強化Lv.1 物理耐性Lv.3

【固有スキル】拳聖▼


 筋肉坊主ね、、なかなかセンスしかないね。

 ステータスも見事に脳筋だな。

 体力1600ってなんだよ。

 俺80だったよね。俺の20倍かよ。



【 名 前 】陣内真じんないまこと

【 称 号 】異世界人 完璧超人

【 種 族 】人

【 年 齢 】16

【 レベル 】1

【 体 力 】2000/2000

【 魔 力 】2000/2000

【 精 神 】70

【 スキル 】瞬間記憶Lv.MAX

【固有スキル】オールラウンダー▼


 うわーーー、神様ってやつは本当に依怙贔屓が好きだね〜。


 不公平とか不平等とかそんな次元じゃないよね、もう陣内だけで魔王倒してくれないかなって思うくらいのステータス値。


 通常スキルが固有スキルみたいになってんじゃん。なんそれ。


 精神も70とか脳内お花畑かよ。

 異世界来て数時間でよくそこまで楽しめるな。

 

 てか、今思ったんだけど。

 これ絶対こいつら幼馴染を召喚しようとしたら巻き込まれちゃったやつだって。


 聖女のように神聖魔法を操る愛野雫。

 賢者のように古代魔法を操る石川冴子。

 タンク兼近接格闘の新田衛。

 チート野郎の陣内真。


 バランス良すぎるじゃん。

 テンプレじゃん。

 こいつらのせいやん…

 まぁ、真実は闇の中なんだけどさ。。

 

 あれだけ全てのステータスにリアクション芸人顔負けのナイスリアクションをとっていた王女も、これほど圧倒的な存在感を放つ4人に目をぱちぱちさせて愕然としていた。


 そして、お決まりの長々とした褒め言葉を4人が受け取った後、その場にいる全員の視線を一身に受けながら俺は水晶に触れる。


 そしてついさっきまで、強力なステータスを表示していたのと全く同じ場所に俺のステータスが開示される。


【 名 前 】回夜柊かいやしゅう

【 称 号 】異世界人 疎まれる者

       不撓不屈

【 種 族 】人

【 年 齢 】16

【 レベル 】1

【 体 力 】80/80

【 魔 力 】200/200

【 精 神 】−15

【 スキル 】火耐性Lv.3 精神耐性Lv.4   

       危険察知Lv.2 気配隠蔽Lv.1

【固有スキル】ボックス▼



 「………」


 暫し流れる無言の間。


 「ひとつ質問してもよろしいでしょうか。」


 沈黙を破ったのは王女。


 「は、はい。なんでしょうか。」


 「固有スキル、ボックスとはどのような能力でしょうか」


 「万物を異空間に収納すると書いてありました。」


 俺はステータスに表示されている通り答える。

 

 「そうですか。あなたはこの後少し残って頂けますか?」

 

 他の人達とは随分異なる対応に違和感を覚えるが、従っておくべきだろうと小さく首肯した。


 すると王女はすぐに俺から視線を外し、全体へと指示を出す。


「皆様お疲れ様でした。思ったよりも時間がかかってしまったので、本日の所はここまでとなります。こちらの世界の詳細の説明に関しましてはまた明日行いましょう。そして、今日より皆様はイヴェール王国の勇者であり、お客様です。明日からは訓練も始まりますが、今日は気にせずゆっくりお休みください。」


 唐突にこの後するはずだった異世界の説明という予定をキャンセルした王女。


 この後残されて何をやらされるのか分からず、俺は不安が残る。


 俺以外の勇者が玉座の間から使用人に連れられ出ていく。

 

 俺だけが残ることに疑問を呈す者は誰一人いなかった。


 そして、だだっ広い部屋には俺とアンスリウム王女、カイン陛下、部屋の隅に控えていた執事のお爺さんだけが残った。


 



_______________________

あとがき

今日は3話投稿したのですが、

明日からは朝と夜の2話投稿の予定です。

am:pm8:00


☆・♡待ってます!

フォローも!!




 

 

 

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