第8話 生まれ変わる4️⃣
「これだけはやっておきたい!」
と、私が真っ先に思ったことは、
好きなアーティスト◯◯◯◯◯のライブに行くことでした。
私が24歳頃から気になっていたアーティストです。
当時、私は、車通勤だったので
よくカーラジオを聞いていました。
ある日、仕事を終えた夕方の帰り道、
凄く綺麗な夕焼け雲を眺めながら
気持ちよく車を走らせていると
不思議なことが起きました。
道の両サイドに背の高い樹木が並ぶ
森林公園があるのですが、
そこを通り抜ける時、
ちょうどラジオから流れてくる曲に乗って
木漏れ日と影が交互に
私に迫ってくる色彩が
まるで時空を超える
タイムトンネルを通過するような景色になり、
その景色と同調するように響く歌声を聴いた瞬間
『あっ! この人だ!! 出会った!!!』
と、私の心の奥深くから
不思議な声が勢いよく聞こえてきました。
「誰???」
でも、その声はすぐ消えたので
私もいまだによく分かりませんが、
確かに聞こえて
その感覚だけは
今でも残っています。
ラジオから流れてくる歌声は、
新しいバンドだったので
バンド名も知らないし、
ボーカルの名前も知らないし、
ラジオだから顔も全く分からなかったけど、
なぜか懐かしいような
知ってる人に出会った感覚がありました。
その日以降、
そのバンドの曲は、よくラジオで聞かれるようになりました。
私は、ずーっと気になっていて、
その人のライブに行きたいなあと思っていましたが、気がついたら、20年以上が経っていました。
仕事が忙しくてチケットを入手できなかったり
(すぐソールドアウトになるから🤣)
結婚したら、家事、育児でてんてこ舞いだったからです。
子供がよく発作を起こしたので、
夜出かけることは難しく、
その人が、テレビで歌ってるところを見れたら
ラッキーでした。
結婚してから20年ほど
私は、専業主婦でした。
「子育ては、母親がやるもの。」
「父親の出番は、子供が中学になったら。」
と、いうのが夫の考えでした。
うちは男の子だったので、
私より体が大きくなって
力が強くなった頃からが
父親の出番だという考えでした。
なので、子供が小さいうちは、
私1人で育児をやっていました。
夫は、出張も多く、ほとんど不在でした。
仕事が忙しかったのだと思いますが
朝5時に帰ってきて、
2時間寝て
7時に起きてシャワー浴びて出勤する。
そんな生活が2週間連続で続いたこともありました。
突発的に海外に出張することも多く、
育児が大変でも頼ることができませんでした。
私は、出かけたくても交代要員がいなかったので、ママ友との女子会にも出席できませんでした。
子供の世話をしないで
飲み会に行くのは、
夫から快く了承がもらえなかったし、
出張が多かったので状況的にも無理でした。
私は、お酒を飲まないので、
おしゃべりと食事が楽しみでしたが、
女子会に誘ってもらっても、
断るうちに誘われなくなりました。
『男は、仕事。』
『女は、家庭。』
そういう考えの家でしたから、
子供を預けて、夜出かけるというのは、
私にとっては、
すごく高い壁でした。
子供が中学生、高校生になっても、
子供の用事で出かけるのは
良かったのですが、
女子会やライブなどで出かけることは、
夫から快く許可が出ませんでした。
参加したかったけど
色々言われるので
いつのまにか
1人で勝手に断るようになっていました。
実家は遠いので、
親に頼むことも出来ず、
私は、1人で家事、育児を行なっていました。
なかなか上手に息抜きが出来なくて
苦しかったです。
育児鬱になる人の気持ちは、分かります。
いくら子供が可愛くても、
24時間体制、365日休みなし。
心が重たくなって
苦しくなることもあります。
気を配る毎日だからです。
体力も使います。
子供が幼いと目を離せませんから
心に疲れが溜まってしまったと思います。
そんな状況ではありましたが、
私も自分の『命は、有限』だと自覚してから、
少しずつ考えが変わりました。
『このまま死んだら、
私は、きっと、後悔する。』
そう思うようになりました。
だから
ちょっとだけ『我慢』をやめてみることにしました。
心おきなくどこかに出かけたい。
それをやってみたいと思いました。
そして、
これまた不思議なことに、
ちょうど生き方を見直そうと思った頃、
スマホをなんとなく見ていたら、
フッと色々なアーティストのコンサート情報がDMで入ってきました。
何気に見たら、
載っていました!
私が好きな◯◯◯◯◯のライブの情報が。
突然、舞い込んできました。
神さまが
「もう我慢しないで行きなさい!」
と、言っているように感じました(笑)
チケットは、抽選制。
ライブは、半年ほど先。
抽選の申し込みでさえ、
勝手にやることに罪悪感がありましたが、
夫に許可を取らずにその場で申し込みました。
ドキドキしました。
怒られるだろうなと。
専業主婦の立ち場って、なんか辛いです。
私だけかもしれませんが、
お金を稼がないから
自分の買い物って罪悪感がありました。
申し訳ないなって。
この罪悪感を『感謝』に変えたら良かったと
今は、思います。
『ありがとう』で良かったんだなと。
子供の教育費には、お金がかかります。
昭和的な感覚が強い家だと、
「良妻賢母」を目指す人は、
実は、「我慢貯金」が溜まっている
かもしれません。
ここで気をつけたいのが
この『我慢貯金』です。
専業主婦に限らず、
誰でも
『我慢』を別の『生きがい』に変換して
貯金して行けば心は温まり『健康』だと思うのですが、
『我慢』のまま心に溜め込んでいると
ネガティヴな『気』が体の中を巡ります。
「不満」だったり「怒り」だったり。
『癌』になる人は、
もしかしたら『我慢貯金』がたくさん溜まっているのではないでしょうか?
私が、自分の五感で感じたことです。
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