第6話 生まれ変わる2️⃣

能天気そうな私ではありますが、

実は、その1年ほど前、

体のある場所に腫瘍が見つかりました。


私は、毎年秋に

年に1度の健康診断を受けていました。


検査の最中に、


「できるだけ早目に大きい病院で検査を受けてください。」


「近くに大きな病院はありますか?」


と、言われました。


女性ドクターが、画像を見ながら

「悪い色ではないけれど腫瘍があります。」

「今日の健康診断の結果は、

1ヵ月後くらいにお手元に届きますが、

それよりもできるだけ早く大きな病院で検査を受けた方が良いですよ。」

と、私を気遣うように

優しく話してくださいました。


5.5㎝の腫瘍が見つかったのです。


悪性腫瘍かもしれない為、早く大きな病院で検査するように言われました。


不思議な感覚。

頭は、真っ白。

心は、真っ暗。


「えっ?」

「悪性腫瘍だったら、癌っていうこと?」


私は、

頭で理解はできても、

心で受け止めることが

なかなか出来ないでいました。


その時の私は

「癌かも…」

と、思うと同時に

「死ぬかも」

と思い、

怖くなって、とても震えて寒くなりました。


その時の私は、46才。


長男が、高校受験を控えた秋の出来事でした。


健診の受付で、

「女性特有の病気」の検査を追加して

本当に良かったなと

今でも心から思います。


人間だから、

生身の体だから、

病気と背中合わせだということは分かります。


だけど、

「死ぬかも」と実感すると、

得体の知れない恐怖に襲われます。


早期発見、早期治療。

100の治療より、1の予防。



こういう言葉は、

病気を自覚してから気づくものです。


「手遅れかもしれない…」


「癌だったらどうしよう…」


そう思った瞬間、


「死にたくない!死ぬのは嫌だ!!」


と思いました。


本能的に

「死にたくない!!」

と、震えながら強く思いました。













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