閉会式後

「兄さん...これは一体どういうことですか!!!!」


「澪未矢様、さすがに今回は私もご説明をしてもらわなければ納得しがたいです」


「澪未矢さぁん?わたくしというものがいながらなに戯けたことを抜かしているんですの?」


「先輩?前に私と駆け落ちしようって計画を立てましたよね?」


「あの、皆さん落ち着いて...」


あの後、事故ということで閉会式は中止となった。


閉会式が終わるとステージ裏から逃げようとしたが、すでに先回りされていた。


「えーっとですね、あれは冗談というか...」


「冗談でこのわたくしが済ますとお思いで?」


「会場を盛り上げるために」


「兄さんは私よりもあのサルどもを優先するんですか?」


「で、でも秋葉も本気にしてないというか」


「そうですか、では秋葉さんに訊いてみましょう。秋葉さん?」


「な、何?」


ちなみに秋葉もすぐ捕まりました。


「さっきの澪未矢先輩の告白のお返事は」


「いや、あれは告白じゃなくて」


「澪未矢様、少しお黙りください」


「...はい」


あの芯珠でさえ怒っているな。


ここに釖竜さんがいなくてよかった。


「それで秋葉さん、ご返事は?」


「そ、そんなの今すぐに決められないっていうか...//」


何ちょっと照れてるんだよ!


そんな仕草したら誤解されるだろ!


「あーこれは完全に恋しちゃってますね」


「ほう。では黒ということでいいんですわね」


言い方が怖い。


「異議なしです」


「私もありません」


なにこの裁判みたいな雰囲気は?


「さて、判決はどういたしますか?」


え?判決とかあんの!?


「そうですわねぇ。これから一ヶ月わたくしの家で懲役刑でどうですか?」


ちょっとリアルだな。


「それはおかしいです!」


神楽!俺は信じていたぞ!やっぱり妹はいつも兄の味方だと!


「兄さんはこれから三ヶ月私の部屋で監禁です!」


前言撤回だ。


栄那よりひどい。


「は、発言をしてもよろしいでしょうか...」


「被告人の発言を許可します」


とうとう被告人呼びになっちゃったよ。


「こ、こうしませんか。今日はみんなで屋敷で過ごすというのは?」


「それだと夏休みの時と変わらないのでは?」


「じゃあ俺との添い寝付きと言ったら?」


「「「「!?」」」」


よし、かかったな。


「まぁわたくしも懲役刑ほどではないと思ってたんですよね」


あんたが一番先に提案したんだろ。


「はい、私も兄さんを監禁なんてやり過ぎだと思いました」


どの口が言ってる。


「私はつい最近先輩と添い寝したばかりですけどね...」


今言うな。


「それでは皆様早速私の車で屋敷に向かいましょう」


行動が早いな芯珠。


あと...


「あ、秋葉?」


「......」


「すまないがここはみんなの顔を立てるために我慢してくれるか?」


「べ、別に嫉妬してるわけじゃないから//」


おお、これが紅愛の偽物とは違う本物のツンデレか。


全員が帰りの準備をしていると。


「あ、いたいた。おい、赤条寺!!!」


生徒会の担当の先生がこちらに向かってきた。


「お前なんてことしてくれたんだ!」


あーまぁ先生が起こるのも当然か。


閉会式が中止となる前代未聞の減少を引き起こしたんだから。


「生徒会長なのにお前はいったい何やって」


「黙ってください」


紅愛は先生のことを見ずに、ただただ冷酷に言った。


「は?お前誰にい」


「もう一度言います。黙ってください」


「......」


これは黙るしかないよな。


「ほら澪未矢先輩!早く芯珠さんの車に向かいますよ」


「......」


やっぱり紅愛の権力は本物のようだ。

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