男の娘にあこがれている二人
家に帰宅し、いつも通り神楽と二人で夕食をとる。
「そういえば兄さんの学校はもうすぐ文化祭でしたね」
「ああ、あと一週間後だ」
2学期が始まって一週間後に文化祭とかろくに準備させる気がねぇな。
「神楽はいつなんだ?」
「...私の高校は文化祭なんてないです」
「え?」
文化祭がない?そんな学校あるのか?
「”文化祭なんかやる暇があったら勉強しろ”これが先生たちの口癖です」
「それはまた...」
ということは体育祭も修学旅行もないのか?
「行事なんて聖神女子はありません。でも勉強合宿はあるらしいです」
勉強合宿とか絶対行きたくない。
それにしても聖神女子は真の進学校みたいだな。
よく進学校は自習性を重んじていると聞くがやはりそんなことはなかったな。
「そういえば兄さんのクラスの出し物は何ですか?」
「......」
できれば言いたくないが、そういうわけにもいかないだろう。
「...女装メイドカフェだ」
「「え?」」
神楽と芯珠の声が重なる。
「すみません兄さん、もう一回言ってくれますか?」
「俺のクラスの出し物は女装メイドカフェだ」
今度は少し大きめな声で言う。
「じょ、女装メイドカフェ?」
神楽はまだ理解に追いついていないようだ。
「つまり澪未矢様が男の娘になるということですね?」
言い方には若干問題はあるがまぁその通りだ。
「男の娘...兄さんが男の娘//」
おい、何ちょっと顔を赤くしているんだ。
「澪未矢様の男の娘姿をご覧になれると...//」
メイドさんも興奮しちゃってるよ。
「これは行くしかないですね」
「ええ、お越しになるしかないです」
最初から誘うつもりだったが。
「兄さん、お持ち帰り制度とかありますか?」
あるわけないだろ。
いや、もしかしたらあるかも。
具体的なメニューとかは一切知らないし。
「神楽様、おそらくメニューに奉仕はあるかと」
それはマジでありそうなのが怖い。
女子は接客をしなくていいからメニューに何でも書き放題である。
「あーもう兄さんの女装姿を想像しただけで食事に手が回りません//」
なんでだよ。
「では澪未矢様、早速お試しにドレスにお着換えください」
「いや、メイクはクラスで考えたやつをつけるんだよ!?」
「...庶民に兄さんのメイクをお願いするなんて不安です」
「ええ、まったくもって遺憾です」
なんだか神楽斗芯珠のキャラが変わってきたな。
「...もう我慢できません!!」
いきなり神楽が橋を置く。
「か、神楽?どうした?」
「いえ、少し兄さんの女装姿を妄想したら...その//」
「......」
察したからその後は言うな。
「芯珠、私は部屋に戻ってあと一時間ぐらいしたらお風呂に入ります」
「かしこまりました」
もちろん芯珠も気づいてるよね?
神楽はまだ夕食を種終わっていないのに部屋に戻っていった。
「それでは澪未矢様、二人で夕食をいただきましょうか」
当たり前のように隣に座り体を密着させる芯珠。
「私も澪未矢様の男の娘姿は以前からご覧になりたいという願望を抱いていました」
なんの告白?
「しかしようやくその願望が叶う日が来るとは...当日はカメラを何台もお持ちになって参ります」
栄那と同じ事させようとしてるよこの人。
「...もう文化祭休もうかな...」
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