生徒会長と自習
「てか明日からテストやん」
この前の休日に神楽に英語を教えてもらってから今日まで特に勉強時間を確保できなかった。
ただ英語は神楽のスパルタ指導の甲斐もあってかかなり自信がある。
「家に帰るとまた神楽のスパルタ指導を受けることになるから今日は図書室で勉強するか」
前に釖竜さんと学校探検したときに図書館も回ったが、私立なだけあってなかなか綺麗で広かった。
「え~と机は開いてるな」
テスト期間のだけあって勉強机はほとんど埋まっていたが奇跡的に一席開いていた。
ちなみに長谷川はテスト期間中はずっとダチとゲーセンに言ってkるとか言って本当は塾で猛勉強しているためここにはいない。
「...ちょっと隣との間隔が狭いな」
勉強机はカウンターみたいになっており、隣との間は本当に1㎝だ。
...隣の女の子可愛いな。
何故か学校で帽子を被っているがそこがまた可愛い。
身長も俺より少し小さいぐらいで胸もそれなりにある。
まさに俺好みだな。
などど妄想していたら女の子が帽子を脱いだ。
お、髪は赤髪なのか...赤髪?
「先輩、さっきから何私のことを舐め回すような目で見ているんですか?」
......
「お前って、赤条寺?」
「はいそうですけど」
確かに正面からよく見たらまさに赤条寺だ。
「なんで帽子なんて被ってたんだよ」
「まさか、私が本当は先輩の隣で勉強したいために先輩席にわざわざ荷物を置いて誰も寄せ付けないようにしておいたのに、いざ先輩がやってきたら恥ずかしくなって私だとばれないように変装してたなんていう誰でも思いつきそうなテンプレツンデレヒロインだと思ってたんですか?」
早口で話すのやめろ。
てか最近赤条寺が登場するの場面多くないか?
もしかして赤条寺ルートに分岐したとか?
ここはエロゲの世界だからそういう要素もあるかもしれないな。
とういうかもう赤条寺ルートに入ったなら俺はNTRれたということになるんじゃないか?
「先輩?何黙ってるんですか?」
「あ、悪い悪い」
「もしかして先輩が去年ぐらいに読んだリストラされたおっさんが近所のお姉さんに飼われるM向け同人誌のタイトルでも思い出そうとしてたんですか?」
「思い出してないしそもそもそんな同人誌読んでない」
そうだ、今はそんなことを考えている場合じゃない。
早くテスト勉強しなくては。
今日はとりあえず明日の科目を勉強する。
確か一時間目が日本史だったはずだ。
「へぇ~先輩日本史勉強するんですね。なんでしたら私が教えましょうか」
「断固としてお断りします」
赤条寺に日本史なんて教えられたらその年に怒った性に関する事件とか覚えそうだ。
「ちなみに私は今英語を勉強してるんです。先輩は英語勉強しなくていいんですか?まさかよくネットにいる日本にいるから英語なんて勉強しなくていいないう受験敗北者の意見なんか真に受けてるわけじゃないですよね?」
もちろんそんなこと思ってない。
まぁ俺は当然受験敗北者だが。
「いや、英語はこの前の土曜日に神楽にたっぷりと教え込まれたから大丈夫だ」
「神楽?先輩から女性の名前が出てくるのは初めてですね。七桜栄那を除いて」
なんで呼び捨て?
「神楽っていかにもラノベのヒロインにいそうな名前ですね」
正確に言うとエロゲだけどな。
「俺の妹だよ。聖神女子に通ってる自慢の妹だ」
「ふーん。ちなみに私はそこすべり止めで受けて受かりましたけどね」
なんで聖神女子が成陸のすべり止めになるんだよ。
「でも先輩、妹に勉強教えてもらうとかどんだけシスコンなんですか」
「いや、正確には神楽の方から」
「ああいいですよ。そんな妹の方から求めてきたみたいな妹もののエロゲにありそうな展開は」
実際エロゲなんだが。
あと求めるという言い方はなんか誤解を招きそうだからやめろ。
それからも時々赤条寺と会話をしながら勉強した。
気づけばもう7時を回っていた。
そろそろ最終下校時間だ。
「まぁこれなら明日のテストでも学年一位を狙えるでしょうね」
あんなに無駄話をしてたのにずいぶん余裕があるな。
普段はあんな女のことは思えない言葉を言ってたりしているが本当に優秀なんだな。
「ほら先輩、もう下校時間ですよ」
「ああ、そうだな」
周りを見るともう俺たち以外の生徒はほとんど帰ったようだ。
そそくさと荷物をまとめ、図書室を後にする。
「そういえば先輩、テスト期間中は生徒会活動はありませんでしたがテスト開けはビシバシやります」
赤条寺がビシバシというからには毎日帰るのがこれぐらいの時刻になるということだ。
「もうすぐ夏休みなんで夏休みの予定とかも決めなくちゃいけません」
え?夏休みも活動あるの?
「それにしても相変わらずほかの役員のヘタレどもは顔を出しませんね。いくら部活で全国大会に行ったからって図に乗りすぎです」
全国大会に行ったなら許してやれよ。
そういえばずっと聞こうと思っていたことを思い出した。
「秋葉美沙祢はもう登校しているのか」
案だけ俺の財布から紙幣を生贄にしたからにはもう不登校問題を解消してなくちゃ困る。
「はい、確か学校に来るようになったと牧下先生から聞いています」
よかった。
これでまた一つ生徒会の手柄が増えたな。
ほとんど赤条寺の手柄だが。
「では先輩、明日の幸運を祈っています」
そう言うと赤条寺は俺の帰り道とは反対方向に行った。
あの顔は絶対幸運なんて祈ってないな。
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