妹とテスト勉強
先日もう少しでテスト習慣だと赤条寺に言われてから数日が立ち、気づけばもうテスト一週間前になっていた。
今日はテスト習慣の土日である。
「さすがにテスト勉強した方がいいよな」
俺としては初めての成陸学園のテストだからわからないが、やけにテスト範囲が多い気がする。
公民なんて40ページぐらい出たぞ。
確か俺の通っていた学校は多くても12ページぐらいでほぼ教科書の赤字になっているところが空欄になっているみたいなのばっかだったぞ。
もしかしてこの学校実はレベル高い?
よくスポーツが強い高校の体育が緩いみたいな感じで授業自体は簡単だけど模試とかの偏差値は高いですよ見たいな?
だとしたらだいぶまずいな。
一応各授業のレジュメはあるからこれをやれば満点取れる...みたいな底辺大学あるあるは通用するのか?
とにかく今はレジュメと教科書を勉強するしかないので早速準備をする。
「...兄さん、入っても大丈夫ですか?」
すると突然部屋のドアがノックされ神楽の声が聞こえてきた。
「神楽か?いいぞ」
「失礼します」
神楽が俺の部屋を訪れるのはこれが初めてな気がする。
「で、なんか用事でも?」
「は、はい。兄さんの学校もう少しで中間テストですよね」
「あ、ああ」
最初はなんで神楽が知っていると思ったがよく考えれば神楽も高校生なので時期的には被るのだろう。
「そ、それで兄さん、少し失礼な言い方になっちゃうんですけど、兄さんってその、あ、あんまり頭よくないじゃないですか」
結構直球できたな。
まぁ澪未矢が頭悪いのは分かっていたが。
いや、もしかしたらマイナスとマイナスを掛けたらプラスになると言われるように俺が澪未矢の体に憑依したことで頭がよくなっているのかも。
「だ、だから私が少しでも兄さんの勉強を教えられたらなーって」
そういうことか。
ただ神楽は自分のテスト勉強で忙しくないんだろうか。
確か聖神女子ってめっちゃくちゃレベル高いって聞いたぞ。
「わ、私はもう自分のテスト勉強は十分にできているので」
もしかしたら夜はいつも勉強していたのかもしれないな。
「そ、そういうことならお願いしようかな」
「本当ですか!?よかった!」
そんなに喜ぶことか?
「じゃまず英語から勉強しましょう」
「おお」
「英語のテスト範囲はどこからどこまでですか?」
「確かここからここまでだな」
多分ほとんどの学校も定期テストの英語のテストは普段授業で取り扱った長文から出題されると思う。
こういうときは大体長文の和訳を覚えれば平均ぐらいは取れる。
「じゃあまずはここの長文の単語の意味から勉強していきましょう」
「え?」
単語の意味から?
そんなことをしなくても長文を和訳すればいいだけなのでは...
「えーっと神楽、教えてもらっておいてなんなんだがこういうのって長文の和訳をとりあえず暗記すればいいだけなのでは?」
「兄さん、今のは聞き捨てなりません。それはいくら何でも甘えすぎです。いいですか、そんなやり方じゃこのテスト勉強をこれからの模試や実力テストで活かすことができないですよ!」
照れながらも真剣に怒る顔が可愛すぎて内容の8割ぐらいは頭に入らなかった。
「とりあえず私がこの単語のテストを作るのでそれを解いてください」
そう言ってから大体50秒掛からないぐらいで作り終えた。
「それじゃ今から約3分ほどで解いてください」
3分という短さに焦ったが、よくよく見ればほとんどが見覚えのある単語だったので意外とすらすら解けた。
「それでは今から採点していきますね」
丸を付ける動作をしているのが見える。
だが次第に神楽の顔が険しくなっていってるのが分かる。
「...兄さん、終わりました」
そうまた少し怒った声で答案用紙を渡される。
「...どうだったかな」
「正直言ってかなりやばいです。これはもう今日私が徹夜する勢いで教えなきゃいけないみたいです。やっぱり日ごろから栄那さんと遊んでおるからこんな成績になってしまうんですよね。本当に邪魔な女」
とりあえず今は神楽のヤンデレモードには触れないでおこう。
というかそんなにひどい点数なの!?
結構手ごたえあった気がするんだけどな。
神楽から返された用紙を見ると25/30と書かれていた。
「えーっとたった5問しか落としてないからいい方なのでは...?」
「何言ってるんですか兄さん!もしその5問がテストに出てそれぞれ2点の配点だったらもう兄さんは10点も落としたことになるんですよ!?」
大体単語は配点がそれぞれ1点の気がするが。
「これはまた後で忘れたころに再テストします。じゃ次は文法をそれぞれ分解してみますよ」
こういっちゃして例だが神楽の教え方は口コミが2.5ぐらいの予備校の先生の教え方と似ている気がする。
「兄さん、ここの文法は分かりますか?」
「分かりません」
「ぞれでは一からおさらいしましょう。まず参考書でこの文法のページを開いて」
結局このようなやり取りが深夜まで続いた。
ただおかげでもう英語はほぼ完ぺきになった。
もしかしたら長谷川相手にも善戦できるかもしれない。
てか結局英語以外は何もやってなくね。
心の中でこれからは芯珠に教えてもらおうと決めた。
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