あちらはどんな展開だったかなあと振り返りながら拝読しました。当初に予感された決定的な破局か?マジョリティの願望に従ったご都合主義の展開か?短編ながらもハラハラしながらページをめくり、やがてたどり着いたエピローグ。なるほど。これは良い塩梅。安心しました。いや、「安心」などとうかつに言ってしまうと、劇中の二人に冷ややかな目で見られてしまうかな?どんな形であれ、両者とも幸せになってほしいものです。
面白かったです!キャラクターのセリフがいきいきとしていて、楽しく読めました。この小説の全ての登場人物にいえることなのですが心の根本に優しさがあって、特にそれは一番身近な人に向ける少し特別な優しさ(愛とも言えるかもしれません)があるように感じました。だから、読み終わった後に切なさの中にも救いがあるような気がして、私にはそれがこの小説の魅力なんだと思いました。