--メアリ・タオ10歳--
第13話 守護の森の騎士団
守護の森の騎士団は、ロイルの神殿所属の正式な騎士団ではあるが、歴史はまだ25年と浅かった。
古王国のドーリアがヴィスティンに滅ぼされても、動かなかった神殿が、騎士団を作るきっかけになったのは、ヴィスティンが再び西の海への離島制圧を目論だことがことが発覚したためである。
既に、孤島の一島が襲撃を受けており、領地化していた。
島民は皆殺しであったと聞く。
ヴィスティンは大国で、神殿の干渉を嫌いドーリアを攻撃した時も、神殿から戦争は止めるようにと神官が使者を送ったにもかかわらず、その使者の首をはねて、ロイルの長のもとに送りつけるような王だった。
そして、見せしめの様にドーリア以外の国にも攻め込んだのだ。
この戦争を終わらせたのは、一人の英雄で魔剣アフレオスの担い手だった。
ただ……どこの誰とは伝わっていない。
なら、何故25年前に騎士団は突如結成されたのか……
ヴィスティンを牽制するための意味はもちろんあった。
30年ほど前に魔王信仰の国が増えて来たのがきっかけであった。
銀の森から南西に馬四日の距離で守護の森と呼ばれるクライヴ騎士団はあった。
もともとは、レフ・フレイドルとクライヴ・ロゥという二人で立ち上げた騎士団であったため、レフ・クライヴ騎士団といった。
マーティンは、自分が今、ここにいることをとても不思議に思っていた。
「確か、僕は試験に落ちたんだよな~?」
紅玉の森のラルク家の次男、マルティーニ・ラルク(マーティンの本名)である。
ロイル家に多く出る銀髪と砂漠のオアシス色の瞳を持つ彼は16歳の春に紅玉の森を出て、騎士団の試験を受けに来た。
騎士団の試験を受ける旨を神殿に知らせても、何も言ってこなかったので、黙認されたと思って、意気揚々とやって来たのだ。
自信はあった。
剣術の教師では、相手にならなくなっていた。
だが、ここへ来て愕然とした。
自分よりも小さな子供が、大人に交じって同じ稽古をしていたのだ。
マーティンに出来る自信はなかった。が、帰るわけにもいかない。
僕は父上のような
マーティンが常に誓っていた言葉だった。
そして、筆記の試験は一番で合格した。
後は、実技の試験で、三人の騎士見習いの先輩から一本取れば、マーティンの場合は、合格らしかった。
神殿でやってる騎士団なので、個人個人で合格の基準も違うらしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます