第11話  ラルク家で……

 タオが、紅玉の森のラルク家に来て、2か月が過ぎた。

 午前中は、勉強の時間にあてられ午後は、他の兄弟と一緒に礼儀作法などを学んだ。

 タオは、一番年下のエリーニと同レベルの字を習う事から始まった。

 時間の空いているときは、ルルティアが本の読み聞かせをしてくれた。

 ルルティアの読み聞かせは素晴らしく、感情がこもっており、上手だった。

 聞けば、母親のエメルダの真似をしているだけだと言っていた。


 ルルティアの話してくれた、光の魔女の話がとても気に入って、何度も何度もせがんで、読んでもらった。もう、丸暗記できるくらいに。

 タオは、暗記などは得意だった。

 後は、暗記した言葉を文字に当てはめるだけだった。

 その作業は楽しく、タオは、あっという間に、光の魔女の伝説の本を読めるようになってしまった。


 そうして、やっとタオの授業が始まった。

 ここの家庭教師は、西域のサントスの神殿から派遣されている、良家の子息子女に勉強を教えることを生業にしている人だ。


 メアリ・タオは、古代レトア語はチンプンカンプンだったけど、数字は好きだった。

 数字には仲間がいっぱいいたからだ。


 午後の礼儀作法の授業では、ルルティアがドレスを貸してくれて、いつも一緒にお辞儀の練習や、歌の練習をした。

 女の子が一人なので、午後の授業はいつも一人だった、ルルティアは大喜びでタオを受け入れたのはこのせいもある。


「メアリ様、お辞儀は、この角度です。各国の王様に会う時も、ロイルの偉い神官様や巫女様に会った時もこのご挨拶になります。忘れないように。」


「は~~~~い」


「その間延びした喋り方もお直しください。」


 メアリ・タオはシュンとした。


「だって~~~タオ、良く分かんないし~~~」


「自分のことも、タオではなくてわたくしです!!」


 先生の目がつり上がっていた。

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