第8話 Rくんのそれを見てしまう
高二の終わりの総合成績でRくんの高校での順位が10位以内に入った。私が教えるようになる前の一学期の成績がボロボロだったのに。彼の高校で10位以内に入ったということは、志望校合格は完全に視野に入っている。Rくんのご両親は大喜びで、本当にありがとうございますと恐縮してしまうくらい感謝された。部屋で息子さんのオナニーを見てあげているのが成績アップの秘訣ですなんてとても言えない。というか、そんなことをしていることに猛烈な罪悪感がある。
その高二の3学期の終わりに、
「あ、あの、彼女できたかもしれないです。」
と唐突にRくんが呟いた。
それを聞いた私は思わず「え?どんな子?写真見せてよ、」と強烈に食いついてしまった。そしてゴシップ好きな下品なおばちゃんのように根掘り葉掘り情報を引き出した。
要約すると、高校で交流のある女子校の高一の女の子だそうで、つまり一つ年下。チアリーダーをやっている友達とRくんの試合を昨年の秋に見にきたことがあるそうで、それで一目惚れした模様。でもシャイすぎて告白できず、チアの友人に付き添われて3学期の期末試験が終わったタイミングで告白されたらしい。それが数日前のこと。告白以降、まだデートはしていないとのこと。
「だめじゃん、Rくんから誘わなきゃ。」
「あ、はい。でも何すればいいのか...」
というので、女目線で相談に乗ってあげた。シャイな子のようなので、まず映画とかパフェ食べにいくとか古典的なデートがいい。ただし映画選びは慎重に。彼女の好みを聞き出すこと。あとは、会う回数が多いほうがいいから、一緒に勉強しよう的な真面目な過ごし方もあり。山場はやっぱディズニーでしょ。そのために二人でお金貯めよう。相手の子がシャイだとすると、すぐにえっちな雰囲気を出しちゃダメ。でもいつまでも何も手出ししないのは女の子の方としても不安になるので、どっかのタイミングでキスすること。やっぱディズニーがいいかも。あ、でも彼女のタイプにもよるね・・・などなどおせっかいなアドヴァイスをした。
私だって二人しか男性経験ないし高校時代彼氏はいなかったので、どういう展開がいいのかよくわからないけど、女子会でいろんな事例を友人たちから聞いているので耳学問として、いろいろアドヴァイスできる自信はある。とはいえおせっかいか。
それから忘れずに付け加えたのが、
「恋愛に夢中になりすぎて成績下がるなよ!」
*** *** ***
以降、私の前でオナニーするのは、私の提案でやめにした。そういう性的な欲望は彼女だけに向けるべきだし、一人で想像して射精する時も彼女以外の女の人を思い浮かべちゃダメ、と思ったので。
授業のたびにRくんから彼女とのデートの話を聞くのが楽しみになった。だいたい週1回、新宿とか渋谷に出かけるのと、週一回、スタバで一緒に勉強しているとのこと。えっちなことは何にもしてないようで、キスもまだ。なんと手も繋いでないそうだ。
「手くらい繋がなきゃダメだよ。関心ないと思われちゃうよ。きっと彼女、シャイすぎて自分から繋げないんだよ。くんから繋がなきゃ。」
「あ、でもタイミングが... 」
というので、実際にコーチしてあげることにした。並んで歩いている時、なんとなく手が触れ合うような状況に持っていって、会話の転換点に合わせてぐっと握ってしまう。手を繋いだことも話題にしない。女の子的には、というか私的にはということかもしれないが、こういう初繋ぎはかなりキュンとくる。部屋を歩きながら私が男役になって、Rくんの手を握ってみた。
「なんかわかったような気がします」
との反応で、こりゃ、無理かなと思っていたのだけれど、週末デートでついに「初つなぎ」に成功の知らせをきいて微笑ましくなった。
「くれぐれも制服の時に繋いじゃだめだよ」
ともアドヴァイス。これは女の子側としてはほんとやめてほしいことなので。あ、でも人によるか。
そして4月の終わり、ついにディズニーデートに誘ったとのこと。初キスを狙うように熱弁してしまった。でも絶対彼女の方も初キス、意識しているはず。していないはずはない。どういうふうにそういう状況にすればいいんですか、というので、これまたおせっかいだけどいろいろとアドヴァイスした。さすがにRくんとキス実演するわけにはいかないので状況描写だけ。
結局キスしなかったという報告を聞いた時はがっかりしてしまった。
*** *** ***
Rくんの彼女とのデート報告の語りの雰囲気がちょっと変わったのはこの頃からだった。なんだか、楽しくないようなのだ。というのも
「え。なんでキスしないのよ。Rくん、彼女とキスしたいでしょ?早く。」
と聞いてみたところ
「彼女とキスって感じじゃないかもしれないです。というか彼女って感じじゃないかもです」
というではないか。
写真を毎回見せてもらってるけど、めちゃ可愛い女の子だ。私でさえ、こんな女の子、押し倒してみたいと思ってしまうような。
「え?彼女のこと、好きじゃないの?」
「よくわからないんです...」
こういうやりとりがあったあたりから、5月の連休後あたりのことだったのだけれど、Rくんが思い詰めたように、
「あの、あれ、前みたいにしたいです。先生の前で」
というではないか。
ん? と思ったけど、あまりにも思い詰めた雰囲気だったので「いいよ、いいよ」と気軽に応じた。彼女がいるとは言え、まだエッチには至ってないとのことだし、まさか彼女の前でオナニーさせてというわけにはいかないだろう。
久しぶりだったからか、2分くらいで射精した。この日、授業が終わる数分前、Rくんが引き続き思い詰めた表情で、
「もう一度してもいいですか?あ、で、先生にも見えるようにしたいです」
「ええ?私みちゃっていいの?私はいいけど、Rくん恥ずかしくないの?というか彼女に悪いな、Rくんのそれみちゃうの」
と、冗談っぽく返してみた。それには答えず、私から見えるように、Rくんはそれを握った手を上下させ始めた。わ、なんて張りがあってピカピカしててフレッシュなんだろう、Rくんのそれ。
なにをかくそう、実際、私も現役男子高校生のそれを生で見てみたくてたまらなかった。彼氏とも別れてしまって、そもそも男の人のそれを最後に見たのは3ヶ月も前のことだ。
Rくんの筋肉質な体かとは対照的に、それはとてもコンパクトだった。さきっぽ(亀頭というのだっけ?)がピンクで光っている。あとまわりにけっこう毛が生えてる。元彼のものとは何から何まで違う。とにかく小さくて可愛いのだ、その部分が。
その部分が見えると流石に恥ずかしいのか、私の目を見ようとしない。可哀想になってきた。私がしてあげようかと言いかけたが、それはまずいだろうと思って言わなかった。黙ってみているのも気まずいので肩に手を乗せてみた。
するとその瞬間、先端から白いものが飛んだ。私のジーンズの腿の部分にも一部がかかった。
「ごめんなさい!テッシュが間に合わなくて。先生にもかかちゃって、すみません!拭きます!」
「いいから。これ私が自分で拭くから、それよりRくんは床に飛んだの拭こうよ、先に。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます