第5話
「ディオダートです。これから宜しくお願いします」
どうしましょう。好青年だわ。私の結婚相手、好青年よ!!
おっと興奮してしまったわ。
だって私からしたら7つ年下なんてガキンチョでしょう。それで次の相手は、オジサンだと思っていたから。
魔物を相手にしているだけあって、がっしりとしているけど、顔は爽やか。金の瞳なんて珍しい。いや母親であるスピリナイト辺境伯夫人も金色。
って、辺境伯夫人は存命していらしたわ。私の早とちりだった。
絶対にディオダート様は、母親似だわ。
スピリナイト辺境伯は、王様と同じ赤髪に赤い瞳。だけど、息子であるディオダート様は、母親の夫人と同じ若葉色の髪。
「息子はあなたより二つ年下の20歳ですが、年齢は気にする事はないですわ。私も夫より一つ上ですの」
へえ。そうなんだ。若く見えるわ。
まあ辺境伯に髭があり年齢より見た目が老けて見えるだけかもしれないけどね。
「今日は、楽しみましょう」
「そうだな。色々な話は明日だな」
夫人がそう言うと、辺境伯が頷いて肯定する。
色々な話とは何だろうか。ここで一緒に住む為のルール的な?
そう言えば王宮でもあったな、それ。
セゼール様には、挨拶以外は許可なく話しかけないとか。
セゼール様は唯一の王子なんだよね。その上に三人の姉がいる。やっと産まれた息子。なのに七つも上の私と婚約させたものだから妃様にはいじめられたわね。
婚約は私が望んだわけでもないのに!
今のところ、辺境伯夫人にはその様子はないけど。
でもディオダート様が一人息子なのは同じだから不安だわ。
今回も私が望んだ結婚ではないのだけどね。
そういえば、籍はもう入っているのよね。そうもう彼とは結婚している。気が変わらないうちにって事よね。
この国では、婚約はいくらでも変えられる。けど結婚すれば、相手が死ぬまで解消できない。だから、婚約してみて相性がいいか試す期間が設けられていた。
私の場合は、他の者と結婚しないようにする為だと思うけどね。そして、王弟の息子と私を結婚させ目の届くところに置いた。物理的には遠いけどね。
ふう。会食パーティーは無事終了した。
疲れたわ。三人とも私に会うのがとても楽しみだったと言ってたけど本当かしら。
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