第7話

「これで終わります」


 4限目の授業が終わる。

 移動するか。


 俺は朝コンビニで買った弁当を持って足早に教室を去る。


 目的地は体育館裏。最近はそこで食べている。

 何故って?美桜が来た次の日に痛い目を見たからだ。


 美桜のやつ、普通に俺の教室に来て一緒に食べ始めたんだよ。

 あれは視線が痛かった。


 なので、それ以降俺は体育館裏で食べるようにしている。


 つか、美桜が学校一の美少女と言われているのは本当だった。

 入学して一週間も経っていないのに、もう10人以上に告白されているらしい。全部噂だが。


「――話ってなにかな?」


 ん?先客か?

 それに、告白じゃね?盗み聞きも悪いし一回離れよう。


「美桜さん!ぼ、僕と付き合ってください!」


 やべ、見知った名前が出てきて足を止めてしまった。


 ……あれ?胸に違和感を感じた。


「ごめんなさい」


 美桜は、断った。


「ど、どうして!?」


 男子が必死になって理由を聞く。


「好きな人がいるんです」


 俺はその場から立ち去った。





 美桜に好きな人。

 別に不思議なことではないだろ。美桜も普通の女の子。

 応援するわけではないが、邪魔はしたくない。


 だから邪魔だよな、俺。

 もし、俺と同棲していることが美桜の好きな人にバレたら?

 そんなこと起きたらアウト。


 同棲、辞めるか。

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