第25話 なるのです
商売をしていた
商品の果物や野菜が地面に転がり、踏み潰され、それを悲しんでいると刺されたりしているのです!
「お前ら! 国民もそうだが!
「へい!」
クレイさんも剣を抜き、血を流させないように剣の柄で、首裏などを突いて気絶させていくのですが、キリがないのです!
「人数に差がありすぎるなっ……!」
クレイさんは苦しそうに手の甲で、汗を拭ったのです!
でも、本当に差がありすぎなのです!
クレイさんの傭兵団がいても! 暴動の半分にも満たないのです!
このままでは! たくさんの血が流れるのです!
「…………」
私は、
でも、それは、禁忌とされているのです。
何故ならば、
平行が保てない二つ、その間に立つ私。
あの魔法を使えば、どうなるかわからないのです。前例がないので、誰もわからないのです。
「…………」
目を閉じて、お父様との会話を思い出していたのです。
『マルや』
『はい』
『お前は、奇跡の子じゃ。今まで我々
『はい』
『そんな中、産まれた命、それがマルじゃ。だから、マル。
『——はい!』
「——なるのです」
架け橋に!
クレイさんの肩、そして、首から頭へ登り立ち上がったのです!
「マル?」
「
「な、何だ……、これ……」
みんな、月を見上げると、力が抜けたように座り込んだのです。
それもそのはず!
これは、私たち
「なのですー……」
なんだか、力が抜けて、い、く、のです……。
「おい! マル!」
ふらっと、クレイさんの頭から落ちて、大好きな両手に受け止められた、のです……。
ああ……、あったかい、のです……。
このまま、眠り、たい、の、です……。
「マル!」
んー? 何だか、体が小さく、なった感じがするのです……。
体が小さく?
「みゅ?」
起き上がってみると、体の大きさが半分になっていたのです!
「えらいこっちゃなのですー! さらに小さくなったのですー!」
私が頭を抱えていると、
「はぁー……」
クレイさんが深いため息を吐いて、座り込んだのです。
「みゅ? どうしたのです?」
「どうしたのです? じゃねぇよ。死んじまったかと、思っただろ……」
クレイさんは髪の毛をぐしゃぐしゃっと、かき乱したのです。消え入りそうな声に、なんだか申し訳なくなったのです……。
「ご、ごめんなさいなのです……」
「マジで勘弁してくれ。俺はもう——」
「みゅ?」
言葉が途切れたので見上げると、
「——俺はもう、お前なしの生活なんて、考えられないんだからよ」
照れ臭そうな、でも、寂しそうな笑顔が降ってきたのです。
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