第12話 メネストル共和王国物語

「はっ! そうだ! 私の手じゃ取れないのです! だからー、巨人族の手ジカンテハンド!」


 魔法で巨人族の手を作ったのです! 私が曲げれば魔法の手も曲げる、変幻自在の手なのです!


「よいしょっと、なのです」


 お行儀悪いけど本を床に置き、寝そべりながら開いたのです。



『メネストルきょうわおうこくものがり。


 むかしむかし、メネストルきょうわおうこくのとなりに、ちいさなむらがありました。


 そこにすむひとりのしょうじょが、おうこくからのかいものからかえっていました。


 そのとちゅう、けがをしておなかをすかせてたおれているはぐれおおかみストレーウルフをみつけました。


 しょうじょは、おばあさんにわたすはずだったくだものをたべさせ、はぐれおおかみストレーウルフをてあてしました。


 そのようすを、ひとりのしょうねんがみていました。かれは、メネストルのおうじでした。


 おうじはしょうじょのやさしさとかれんさにひとめぼれをしました。

 そして、しょうじょのてをとり、こういいました。


「きみのことがすきだ! ぼくとけっこんしてほしい!」


 しょうじょはおどろきつつ「いいえ」とくびをふり、こういいました。


「まだ、であったばかりで、あなたのことをよくしりません。そういうおはなしは、もうすこしあなたをしってからにしてください」


 おうじは「たしかにそうだな」とうなずきました。


 それからふたりは、いっしょにいろんなばしょにでかけ、たくさんのことをはなしました。



 あるとき、しょうじょはいいました。


はぐれおおかみストレーウルフは、むれからはぐれていきかたをしらないまま、さまよっている、かわいそうなこたちなんです。だから、ひとをおそってしまうんです。あのこたちが、おだやかにくらせるようにしてあげたい」


 しょうじょのなみだに、おうじはむねをうたれ、しろへはしりました。


 そして、ちちおやであるおうさまにたのみました。


はぐれおおかみストレーウルフがちゃんとくらせるようにして! そのためならなんでもするから!」


 おうさまはむすこのことばにかんどうし、すぐにうごきました。


 かくこくから、いちりゅうのペットトレーナーをよび、はぐれおおかみストレーウルフをしつけました。


 はぐれおおかみストレーウルフはさいしょはていこうしていたものの、いうことをきき、おりこうになりました。


 こうして、はぐれおおかみスストレーウルフは、メネストルでいちばんにんきのペットになり、にんげんにかぞくとしてむかえられ、おおかみウルフから、はぐれストレーとよばれるものはいなくなりました。


 おうじもじぶんがいったとおり、べんきょうやけんのけいこにはげみ、おうさまのいいつけをまもりました。



 しょうじょはおうじのやさしさとこうどうりょくにひかれ、ふたりはけっこんしました。

 おうさま、おうひさまからもかんげいされ、しあわせなせいかつをおくることになりました』





⌘⌘⌘⌘


 あとがき。


 長くなりそうなので、一旦、区切ります! もう少し続きます! すいません!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る