第2章 旦那様伝道師! なのです!
第11話 だから! よいのです!
この大好きな両手を守るためには、この国の! 王城の人物を知ることが大事なのです!
「クレイさん!」
「どうしたよ」
「書物がたくさんある場所はどこなのです?」
「書物……、ああ、城の中に書庫があるぜ」
「なるほどなのです!」
「でも、あそこは王が認めた者しか入れねぇから、連れてってやれねぇぞ」
「またしても何なんだ! なのです! でも、いいのです!」
私はクレイさんの剣から飛び降りたのです。
「勝手に入ってやるのですー!」
ドアに向かって走り出したのです!
「おいおい、お前は開けられねぇだろ」
クレイさんが私を追い越し、ドアを開けてくれたのです。
「ありがとうなのです!」
「書庫は右の奥から二番目の部屋! 潰されねぇように気をつけろよな!」
「了解なのです!」
走ってクレイさんの部屋を出て、螺旋階段の手すりを登ると、そのままくるくると滑ったのです!
「着地! なのです!」
滑り台で下りたので、あっという間だったのです。でも、少し目が回ってしまったのです。
「これぐらい平気なのです! 問題は……」
書庫にどうやって入るか、なのです。
「みゅ?」
あの体格のいい人は、さっきクレイさんを見ていた人なのです。
「じゃあちょっと、調べ物をしてくる」
部下らしき人に手を上げ、別れたのです。
調べ物! きっと書庫に行くはずなのです! ついていくのです!
全速力で走ったのです! そうしたら、この人はゆっくり歩いていたおかげで、何とか追いついたのです!
右側、奥から二番目の扉を開けたので、扉が閉まる前にと滑り込んで入ってやったのです!
入った先は、
「すごいのですー……」
もう既に書庫だったのです。
奥にある部屋が書庫の本室っぽいのですが、廊下から浮いている本棚でいっぱいだったのです。しかも、この本棚、木製の地球儀型でとっても可愛いのです!
しかし……。
「どうやって取るのです?」
途方に暮れていると、ついていった人が、光るふよふよとした文字で『人体』と書かれた下に行き止まったのです。すると、地球儀型本棚の一つが、移動し下りてきたのです。
「なるほどなのです」
きっと、あの文字が本の種類で、そこに行くと、関連した本棚がやってきてくれる仕組みなのです。
私は上を見ながら歩き、『人物』の文字の下で止まったのです。そうしたら、本棚の一つが下りてきてくれたのです。
「面白い仕組みなのです」
本棚をぐるぐる周り、探すと『王城関係者一覧』という分厚い本を見つけたのです。これを読めば、どんな人がどんな役職かわかるはずなのです。本を取ろうとし、
「みゅ?」
隣にあった本が目い入ったのです。
「『メネストルきょうわおうこくものがたり』?」
児童向けの本みたいなのです。
「……いやいや! 私を人物を調べに来たのです! ……」
ちらり。
『メネストルきょうわおうこくものがたり』。
「——むー! 国を知ることは! 人物を知ることに繋がるのです! だから! よいのです!」
私は、『メネストルきょうわおうこくものがたり』に、手を伸ばしたのです。
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