第2話 騙されたのです!
「は?」
「もー! 三回言うのはもっと失礼なのです!」
「いや、だってよ。マジで
「何回言えばわかるのですか! 私は!
「
「それはっ、
「ああ、そういうのいらねぇから。俺、勉学は苦手だし」
「確かに! そういう顔をしているのです!」
「だろ?」
「ちょうどよかった! 第二王子のとこまで連れていくのです!」
「何で偉そうなんだよ」
「偉いからなのです! 嫌われ第二王子に嫁ぐんだから偉いのです!」
「嫌われ、なぁ。ま、居場所は知ってるから連れてってやるよ」
「本当なのです? なら早くぷらぷらやめるのですっ」
「おぉ、
ぽいっと頭の上に載せられたのです。
「わっ、落ちたらどうす——ふわふわなのです」
「ははっ、そいつはどうも。しっかり掴まっっとけよ?」
「言われなくとも! なのですっ」
見た目よりふわふわな
「あ、そうだお前ら」
「決まった時間に食べ物を持ってくるから、人は襲わないって約束だろ」
「グルルー……」
「グルルーじゃねぇ、返事は」
「ワンッ」
「よし。じゃ、行くか」
……ずるいのです!
「そうだ! 第二王子、知ってるのです?」
「ああ」
「何故、“外れもの”と嫌われているのです?」
「見た目が怖いからじゃね?」
「あなたみたいに、なのです?」
「そうそう」
「もー! あなたみたいに見た目が怖い人に嫁がせるなんて!
「だな」
第二王子について話している間に、
何度か招待されて来たことあるのですが、やっぱりきれいな国なのです。
薄茶の煉瓦道、屋根が焦茶な可愛くて素敵なお家。
真ん中にある国なので、交通の要になっているのです。
まず、目に入るのが市場、『
茶色や黄色の大きな日傘を差したお店がいっぱいなのです。
許可をもらって三種族みんなお店を開いているのです。だから、
国で自給自足をする。それが私たち
そして、私は! そのための人質なのです! でも。
「相変わらず賑わっているのですー」
「この大陸じゃなく、別んとこから来た種族もいるからな」
「はっ! もしかしたら第二王子もそうなのです!? 別の大陸からやってきたから嫌われているのです!?」
「かもな」
そうこうしている内に、城へ着いたのです。
白い外壁に水色の屋根。いつ見てもでっかいのです。
ん? この
「謁見の許可とかいらないのです?」
「いいんだよ」
「みゅ?」
そして、入ってすぐ右側にあった螺旋階段をぐるぐる上っていくのです。
着いた部屋のドアには、黒茶の狼の紋章があったのです。
……ん? この紋章って、確か……。
そして、私を運んだ
人間族は椅子にどかっと座ると、私を両手で掴み目線を合わせ、人の悪い笑みを浮かべ、こう言ったのです。
「ようこそ、俺の部屋へ。俺が第二王子、クレイ・メネストルだ」
「——騙されたのです!」
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