むにって守って!〜人質婚ですが、一匹狼の王子に愛され幸せなのです。お礼に私のむにむにで旦那様の笑顔を守るのです!〜
冥沈導
第1章 人質、上等なのです!
第1話 二回言うのは失礼なのです!
「マル……、すまんのぅ」
「仕方ないのです、お父様」
「私たちが素直になれば、こんなことにはならなかったのに……」
「変なとこ、意地っぱり。それは確かに
「でも、お前が何も行くことは……」
「いいのです、お父様。私、ガツンと
⌘⌘⌘
こうして、てくてくと
これには、訳があるのです。
私たち
だけど、小さい故に、どうしても力が弱いのです。魔法だけでは栄養ある食物が育たず、農作が上手くいかないのです。
農作が得意な
結果、私たち
『……等価交換だそうじゃ。我々も人を寄越せということだ』
と、言った時は、腹が立ったのです!
人には人を!? 道理が通っているようで通っていないのです!
しかも!
『女を寄越せと……、第二王子の嫁にと……』
何なんだ! なのです!
ちょっと土地を耕す知恵と人手を貸してくれと、ちゃんと頭を下げたのに! 嫁にとは! 何なんだ! なのです!
嫁入りとは! 結婚とは! 人生で最も大事なことの一つなのです!
女性にとっては! 尚更なのです!
それを! 等価交換! いや、等価じゃない! こちとら人質みたいなものです!
だって!
そんな所に嫁入り! 人質なのです!
あー! 思い出したら腹が立ってきたのです!
絶対に! ガツンと言ってやるのです!
ガツン。
「そう! ガツンと! ……え?」
後ろでガツンと音がしたと思ったら、体が宙に浮いたのです。そして、頭にボタボタと何かが垂れてきたのです。恐る恐る見上げると、
「ハッハッハッハッ」
「——キィヤー!」
食べられるのです! ここで人生が終わるのです! ぐすん……。
「こんな終わり方ならー! 第二王子に嫁いだ方がマシだったー!」
「第二王子は
「みゅ?」
上から声がしたのです。声が聞こえた方を見上げると、葉を散らしながら木の上から
下りてきた
絶対にこの人も私を食べるのです! 私なんか丸飲みなのです!
だけど、ここでジタバタしたらみっともないのです!
「一思いに食べやがればいいのです!
「食べねぇし。つーか、今時の
「
「は?」
そして、私をじっと見ると、
「……は?」
と、言ったのです!
「——二回言うのは失礼なのです!」
⌘⌘⌘⌘
あとがき。
ちっちゃ元気マルちゃんです。
マルちゃん負けるな! など、思ってくれた方いましたら、よければフォローなどポチしてくださると、励みになりますー。
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