第37話
私は寮を出て、Sクラスの教室に向かっていた。
すると、目の前にレオ王子の後ろ姿が見えた。
あれはレオ王子ね。ってあっ!! そういえば、ゲームだと鑑定の儀を終えたレオ王子は、魔法の天才である自分よりも石盤を光らせたソフィアに興味を抱くのよね。
ま、まぁ。今日の鑑定の儀では、レオ王子の方がソフィアよりも光が強かったんだけどね...
レオ王子は私に負けてから、王宮で特訓しては屋敷にやってきて、私と魔法の対戦を何度もしていたのだ。
途中からは、「お姉様が相手する必要ないです」と、ミリーがレオ王子の相手をしていた。
ミリーは私と違ってスパルタで、毎回対戦が終わると、彼は本当にこの国の王子なんだよね!? ってくらいボコボコにしていた。
そのおかげか、レオ王子もかなり成長していた。
そんな彼が今、ソフィアのことをどう思っているか気になるわ。
「レオ殿下!!」
私が呼びかけると、レオ王子が振り向いた。
「ん? ってお前か!! おい! あれだけ騒ぎを起こすなって言ったのに、貴重な石盤を六枚も壊しやがって!!」
「い、いや!! 私が壊したのは五枚であって、六枚目は先生ですよッ!!」
「変わんねぇよ!!」
「変わります!! って、そんな事を聞きたいんじゃないんです」
「そんな事ってお前...で、聞きたいことってなんだよ」
レオ王子は両手を組み、ジト目で私を見る。
「いやー、あのー。ピンクの髪の子いたじゃないですか? あの子が凄い石盤を光らせていたので、レオ殿下はどう思っているのかなー? と思いまして」
「ピンクの髪って、あの平民出身の特待生のことか? 確かにかなり光ってはいたが、特に気にはならなかったな」
ゲームと全然反応違うじゃん!!
ゲームだと彼は、「魔法の才能があるオレより光っただと!!」ってソフィアに突っかかったりするんだけどなぁ...
「で、でも!! 魔法の才能があるレオ殿下くらい光ってましたよ!!」
「ああ? 嫌味かお前? お前の魔法を見たことあるオレが、自分に魔法の才能があるだなんて、口が裂けても言えるかバカ」
「バ、バカは言い過ぎです!!」
「まったく...お前だけならともかく、なんで妹やメイドまで化け物なんだよ」
「ば、化け物は言い過ぎです!! ミリーとレイはとっても可愛い二人なんです!!」
「お前の妹、笑いながらオレに高火力の魔法ばんばん打ってきてたぞ」
「いやー、可愛いですね!!」
「どこがだよ!!!!」
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