第24話
私は、食堂に向かうジェシカの後ろについて歩いていた。
いやー、本当にジェシカの屋敷に来ちゃたよ〜。
ゲームで好きなキャラだったから、凄い嬉しいなぁ。
この機会に、是非仲良くなりたいわ!!
うーん、どうやって距離を縮めようかな?
あっ! そうだ!!
「ジェシカ様、タメ口でもいいですか?」
「いや、あなたマナーを習いにきていきなりそれですの!?」
ジェシカは私の方に勢いよく振り返る。
「す、すみません。私、ジェシカ様とお友達になりたくて...」
私がそう言うと、ジェシカは頬を真っ赤に染めた。
「タ、タメ口でいいですわ」
「え!?」
「ま、まぁ、あなたは同じ公爵令嬢ですし。好きにすればいいですわ」
「やったー!! ありがとうジェシカ!!」
「ふん! あ、あまりはしゃぐものではないですわ」
ジェシカは顔を逸らし、私に背を向けた。
私は、ジェシカとの距離が縮まった気がして、ジェシカの隣りに並ぶ。
すると、ジェシカは胸の前で両手をグッと握って、ガッツポーズをしていた。
その表情はとても嬉しそうだ。
「ジェシカ?」
「な、ななな!? と、隣り!?」
「一緒に行こう? ジェシカ」
「お、驚かさないで下さいまし!!」
ジェシカは、顔を真っ赤にしてそう叫んだ。
◎
「ここがウチの食堂ですわ」
「わぁ〜、凄い美味しそう!!」
到着した食堂には、ビュッフェ形式で、沢山の豪華な料理が並んでいた。
「以前、ワタクシの誕生日会では、ビュッフェ形式でございましたので、今日もその形式をご用意いたしましたのですわ。まぁ、貴族はこのような形式の食事は、基本的に手をつけませ――」
「あっ!! あれ絶対美味しいやつだ!!」
「あ、ちょっ、待ちなさい!!」
数十分後。
「はぁはぁ、ダ、ダメですわ。あなたのマナー、食事だけ全く良くなる気がしませんわ」
「それはリステンド家でも長年言われてるわ。貴族のマナーに従うと、自由に食べられないんだもん」
「はぁ、今日はこの辺にしましょう。食後のデザートにケーキをご用意していますわ。あなた、たくさんの料理を召し上がりましたが、デザートもお召し上がりになれますか?」
「もちろん!! あの有名なお店、『メチャビーミ』のケーキだよね!? 私すっごく楽しみにしてたの!!」
「ええ、知り合いが経営しているから、屋敷に送ってくれるんですわ。そ、その、ワタクシの屋敷に来たら、い、いつでも食べられますわよ?」
「え、ほんと!? じゃあまた遊びに来ていい?」
「ま、まぁ、あなたがどうしても来たいというのなら、別に構わないですわ。あと、あなた今日は、マナーを学びに来たんじゃなくて、遊びに来ているつもりだったんですの...」
「わーい!! やったー!! ありがとうジェシカ!!」
「ふん! まぁ、屋敷に来た時は、ワタクシが厳しくマナーをお教えしますわ。さ、ティーガーデンに移動してケーキを食べましょう」
「うん!!」
そして私たちは、ティーガーデンへと向かった。
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