本
美崎先生に指導を受け、廊下で夏実ちゃんを呼び止めた。
もう朝とか一緒に行くの無理そうだし…。
「夏実ちゃん」
「あ、直斗くんどうしたの?久しぶりだね」
おうち隣なのに…
それに幼馴染なのに…久しぶりって…
ロングロングアゴーは、毎日一緒に遊んでいたのに…
大きくなるにつれてどんどん離れていく…
「あのさ、夏実ちゃん」
「なに?」
「問題です‼︎小さいときはいつも一緒で大きくなると離れて行ってしまうものなーんだ」
あ…オレは勉強を誘うのに、つい問題なんかを夏実ちゃんに出してしまっていた。
何をしているんだっ…オレは…
一人悔やんでいると夏実ちゃんは、一生懸命考えていた。
そしてその答えは、
「親子?」
だった。
あー、なるほど〜。そういう考えもあるよね〜。
と納得!
「わかる〜」
「え、それで正解は?」
「あー、それ!」
「親子?」
「うんうん。そうだよ!親子」
「あー、当たったぁ。で、親子がどうしたの?」
「いや、なんとなく問題だしたくなってね…それだけなんだ」
「そうなんだ。また問題だしてね。じゃあ、またね。」
と夏実ちゃんは、行ってしまった…。
…
そこに美崎先生が現れた。
「なにしてんの〜。やっと誘えた〜?」
と。
み、見られていた…。
せ、せんせいに見られて…いた。
「あのー、先生…」
「え、なに?」
「ぼくは…誰なんでしょうか?」
「雪村だ」
「雪…村」
「なんだよ…どうした…?」
「雪は…いつか溶けてしまいます。ぼくの心も雪なのでしょうか?」
「違います!」
「え…では…ぼくは…溶けないんですか?」
「溶けねーよ」
「なるほど。先生…ぼく自信がつきました‼︎来年の冬、雪が降ったら夏実ちゃんを誘いますっ‼︎」
…
「いや、おせーよ」
「そうなのですか?雪に早いとか遅いなんて関係ありません‼︎」
「うん。好きにしたら?」
「先生は、ぼくを見捨てるんですね…グスングスン…マングース」
「マングースってなんだよ…。」
「動物です。ええと、諸説によりますと…」
「あー、もう大丈夫…」
「えっ、もうですか?お腹いっぱいですか」
「うん。」
「なら、もうすぐ給食なのでデザートのプリンくれよ」
「は?やらねーよ」
「だろうと思ったぜ。貴様は、いつもそうだもんな。いいか、プリンはスプーンで食え!箸で絶対に食べるな‼︎」
「おまえ誰だよ?多重人格かよっ⁉︎」
「あー、その手があったか!ありがとう。先生〜」
オレはまた美崎先生から学んだ。
オレは多重人格じゃないが夏実ちゃんを美崎だと思って話せばいいんじゃん!と。
なので早速次の日実践〜と思ったら…土曜日だった。
…
わざわざピンポンしてさ、今度一緒に勉強しよう?なんて言われたら圧が半端ないよね。
…
あ、今日は美崎先生デートだし相談できないから、本屋行ってなんかいいアドバイス本でも探しに行こうかな。
例えば…どんな本がいいだろう⁇
恋愛本とか?
…わからないけど本屋行ってみよっと。
スタスタと軽い足取り〜
本屋に入るなり入り口にかわいいネズミの絵本があるじゃないか!
あぁ、このネズミのキャラクターかわいいんだよなぁ。
ちょっと読んでみよっと。
ペラっ、ペラっ
ふむふむ、うんうん、
面白いなー。
あぁ、なになに⁉︎
たくさんシリーズあるんじゃん!
面白いわぁ。
これはさ、家に一冊あってもいいんじゃね⁉︎
なんならインテリアとして飾ってもありだなぁ。
出窓のところに飾ろうかなぁ。
というわけで一冊購入した。
あー、いいお買い物ができたわぁ。
帰りも足取り軽くルンルン〜。
あー、本なのにかる〜。
…ってさ。
肝心の恋愛本買うの忘れたよ?
ま、いっか〜。
続く。
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