掃除

 そろそろお家に到着…って‼︎

 

 あんなところに…

 

 な、な、な夏実ちゃんがいる…じゃん⁉︎

 

 ま、そりゃそうか。

 夏実ちゃんの家だし。

 

 あー、家隣でマジよかったー‼︎

 

 てことは、これはチャンスだ‼︎

 

 

 

「よっ、夏実ちゃん!」

「あ、直斗くん」

 

 大丈夫だったかな…?

 美崎に声かけるみたいによっ、って声かけしたけど、不自然じゃなかったよね⁉︎

 

 普通に返事くれたし。

 

「直斗くんお出かけしてたんだね。」

「うん。夏実ちゃんは、これからお出かけかな?」

「そうなの。本屋さんにね。」

 

 あー…タイミングーー‼︎

 

 もう少し遅かったら一緒に行けたーー‼︎

 

「本屋さんか…。」

「うん。もしかして今直斗くん本屋さん行ってきた?」

 夏実ちゃんは、オレが持っている本の袋に目をやった。

 

 夏実ちゃんを美崎だと思ってと…

 

「あー、そうなんだよ!絵本なんだけどさぁ、めっちゃかわいいお話でね。もう読み聞かせしてあげたいくらいだよ!」

「えー、絵本かぁ。懐かしいね!昔よく二人で読んだよね」

「うんうん、読んだよねー。懐かしいなー」

「ねー。今じゃ全然遊ばないもんね。」

「ね。でも、オレは今でも夏実ちゃんと遊びたいよ。」

「えっ?」

 あ…、今のはちょっとキモいか?

「あー…、今のは忘れて。心の声がダダ漏れしただけだから…。全く不用心な心でさ。気にしないで。」

 

 …

 

「…忘れなくてもよくない?あのさ、今度そのさっきいってた絵本読みたいな」

 なんて、まさかの今度のお遊び約束をしていただきましたよっ‼︎

 

 あー、絵本買ってよかったわー。

 まさかの恋愛本とか買ってたらさ…え?そんな本読んで勉強してるんだぁってなるところでしたかもよ⁉︎

 

 あとさ、辞書なんか買ってたら今度読みに行きたいなんて言われることもなかっただろうな…。

 

 あぶねー…。

 

 でも、これでチャンス到来だ。

 

 このまま昔みたいに戻れるかもだよ!

 そのうち、一緒に勉強どころかゲームしたりとかしてさ、オレの家に入り浸りになってさ、気がついたら結婚してるかもよ?

 

 てかさ、いつのまにか銀婚式だねえ。なんてことになってるかもよ?

 

 いつのまにかってのは、ちょっとどうかと思うけどね。

 

 あれ?

 思い出どこいった?

 ってね。ワープしすぎでしょ…、、、

 

 やっぱりいい思い出があってこそだよね!

 

 なので、銀婚式に向けて早速思い出つくりに、来週夏実ちゃんがオレの部屋に絵本を読みに来ますよぉ〜‼︎

 

 お部屋きれいにしなきゃ!

 

 でも、その前に美崎先生にチェックしてもらわねばっと。

 

 なので部屋を掃除して、早速写真を送ってと。

 

 …あ、間違えて道路の拡大写真送っちゃった!

 

 たまに歩いてると写真撮っちゃうんだよねー。

 待ち受けもスクショしがち…。

 

 で、既読の早い美崎先生は、

「なにこれ?」

 って送ってきたじゃありませんか!

「それは、もちろんコンクリートの道路さ」

 と送ると、

「それは…不必要。道路の次は玄関?で階段?って順番でいくなら不必要。部屋だけでいいから」

 とお叱りを受けた。

「先生…これは不慮の事故でして…ってか、このコンクリートに隠れキャラが潜んでおりました!なーんだ?」

 と送ると先生は、

「えー?わかんねーなー」

 と送ってきた。

 

 そりゃそうですよ。

「隠れキャラなんていません」

 から。

 

「あのー、オレそんなに暇じゃないんだけどなぁ」

 と送られてきてしまったので、オレも

「わかる‼︎オレも部屋の片付けまだ半分くらい」

 と送ると、

「全部掃除終わったら写真送ってよ」

 と返信がきた。

 

 うん。

 全部終わることなんてあるのかな…

 

 ないよね。

 もうここがきれいになったからいいだろう。

 

 カシャ 送信‼︎

 

 送るとすぐに、

「なんで押し入れ?部屋押し入れなの?⚪︎えもんか?」

 ときたが、やっぱり押し入れって大事だもんねー。

 

 運気もよくなるらしいし!

 とりあえず押し入れは、きれいになったよ。

 

 

 …

 

 あー、失敗したー‼︎

 

 やっぱり入ってすぐの場所大事だよねー…

 

 なので窓のところに絵本設置〜。

 

 

 ざっと終わり写真送信っと。

 

「いいんじゃん?男子の部屋って感じで」

 と美崎先生から送られてきたので、お礼に絵本のスクショ全ページ送ってあげた。

 

 すると、美崎先生と彼女のツーショットが送られてきた。

 

 なので、ありがとう。削除しておきます。と返信しておいた。

 

 それはやめてと言われたので待ち受けにしようと思う。

 

 くくくっ

 

 続く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る