美崎先生

 オレは背も伸びて運動もできて勉強もそこそこできる。

 

 しかーし‼︎

 

 恋だけ順調にいかない…。

 

 うーん…。

 

 美崎先生によれば、なぜよそよそしくなってしまったのか原因を突き止める必要がある‼︎とのことだった。

 

 原因…。

 

 たぶん…いや、きっと…原因は、最近ずっと話したりしていないことだと思う。

 

 夏実ちゃんは、人見知りじゃないけどやっぱりほとんど話さなくなった男子なんてそこら辺にいる虫と同じ扱いなんじゃないかって思うんだ。

 

 だって、そこら辺に虫がいても普通話しかけないじゃん⁉︎

 

 でもさ、しつこい虫ってかまってもらえるよね?

 

 例えば蚊!

 

 もう、人間が逆に追いかけてきてくれたりするじゃん?

 

 おててをぱんぱん楽しそうにさ!

 

 だからオレは蚊みたいな存在になるよ‼︎と美崎先生に伝えた。

 

 蚊…⁇

 血でも吸う気⁉︎と美崎先生は、血の気が引いていた。

 

 理由を話すと少し意味がわかるような…わからないような…と困惑していた。

 

 そもそも虫に例えるのが違和感だそうで…

 

 そんな美崎は、彼女がいる。

 だから先生と呼ばせていただいているのだが、正直あなたみたいな生徒は…お手上げですね。と言われてしまった…。

 

 うぅッ…先生にまで見放されるなんて…

 

 やっぱり蚊っていうのがダメだったのかも知れないな。

 

 せめてコバエくらいにすればよかったのかな?

 

 美崎は、虫が苦手なのかも知れないな。

 

 灰‼︎いや、ハイ‼︎

 それでは、気合いを入れて夏実ちゃんにこれからどんどん話しかけていきたいと思います‼︎

 

 …でもさ、いつ?

 

 蚊なら明け方よくブンブンくるけど…明け方なんて迷惑だよね…⁉︎

 

 そもそもオレが寝てるわ…。

 

 じゃあ、帰り道‼︎

 なかなか一緒の時間に下校被らないから、待ち伏せしてーって…それはこわいよね…

 

 

 あ、夜とかよくない⁉︎

 

 毎晩電話していい?みたいな!

 

 でも、友達の男子から毎晩電話くるのってなんか変…だよね。

 

 そもそもオレって友達⁉︎

 それともギリ幼馴染⁉︎

 

 え?どっちなんだろう…

 

 オレって夏実ちゃんからみたら何?

 やっぱりただの虫?

 

 できればギリでもいいから幼馴染がいいです。

 

 今度夏実ちゃんに聞いてみよっかな?

 

 あー…、でも、前にも聞こうとして断念してるしな…。

 

 お‼︎

 いいこと思いついた‼︎

 

 せっかく家がとなりなんだから、おすそ分け作戦だろ‼︎

 

 ならばまずはおすそ分けをどうするかだよね〜。

 

 早速美崎に相談しつつもほぼ決まり状態だ。やっぱり山に入ってきのこ狩りでしょ〜と。早速帽子探し。やっぱりきのこ狩りには、ベージュの帽子かなー。あと、軍手だよね。トリュフとりたいなら…ブタも同伴する?まずミニブタ飼わないとダメ?…とりあえずトリュフは、断念して…いざ‼︎きのこ狩りに行こうとしたら…美崎がそれは知識が浅いやつは、危険だ‼︎と言われた。

 

 あぁ、森に迷ったら危険ってこと?かと思ったけど、そうじゃないみたい。

 

 毒キノコとかもあるって教えてもらった。

 

 もー、美崎はほんと頼りになるわー。

 毒キノコなんておすそ分けしたら嫌われちゃうもんね。

 

 嫌われるとかの問題じゃないって美崎は、言ってたなぁ。じゃあどんな問題⁇オレ問題とか苦手ー…。

 っていうと美崎は、お手上げーと返信してきた。

 

 お手上げか…

 

 うーん…おすそ分けって意外と難しいな。

 

 すると美崎が、一緒に休みの日勉強しよう?とかが無難じゃね?と教えてくれた。

 

 ‼︎

 

 お〜。さすが美崎先生‼︎

 それなら山まで行かなくていいし、勉強もできて一石二鳥だ。

 

 これからは、どんどん美崎先生に相談しよう。

 

 そして美崎先生のように彼女とイチャイチャしたい。彼女っていうか夏実ちゃんとね。

 

 

 

 あ、そうだ‼︎

 夢に出てきた人を好きになるって話を聞いたことがある。

 

 なので試しに今晩美崎に生霊とばすから夢で待ち合わせな?夜更かししないで早く寝てよ?十一時夢の公園集合ね。

 とメッセージを送った。

 

 すると、こわいからやめて。

 と返信がきてしまった…。

 

 残念…。

 

 成功したら夏実ちゃんにも実践したかったのにな…。

 

 美崎は、虫も夢の公園も苦手なのだろう…。

 

 そもそも夢の公園自体オレが知らなかった。

 

 続く。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る