Side Story

愛で育む、愛が育む


「がんばれー! がっ君!」


 彼女の声援を受ける。

 でも二人で愛を育んでも。世の中どうにもならないことは多くて――。


「鷹橋、今日こそぶっ潰す」

「ひっ?」


 球技大会、種目はバスケ。親の敵のように敵チームが迫ってくる。

 僕には勿体ない彼女だと思う。気取らない、ちょっとギャルな彼女は、本当に人気者だ。

 せめて僕も良いところを――。


「鷹橋君、三歩下がって」


 チームメートの上川君が言う。


「は、はいっ」

「ジャマってか? 妙案だな!」

「バカ。鷹橋君を舐めるなって。練習通り、落ち着いたら行けるから!」


 するっとボールが僕に。

 だから無心にシュートを――。










「やったぁっ! がっ君!」


 彼女の歓声が響く。

 でも、まだゲームは始まったばかりだ。





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X(Twitter)で毎月開催中。

毎月300字小説企画

第9回「育つ/育てる」です。

本文、ジャスト300文字。


愛を育んだカップル……彼氏にも、どうにもならないことはあって。


なお試合に勝てたかどうかは、読者の皆様のご想像にお任せします。


ただ……。


▶試合に勝った

「がっ君、やたぁぁぁっっ! 格好良かった!」


▶試合に負けた

「よしよし。がっ君は頑張ったよ。頑張ったがっ君は格好良かったよ!」




どちらにせよ。


男子の皆さん「ぬぬぬぬぬぬぬぬぬ!」

となったとか、どうとか。以上、蛇足でした💦


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