Side Kirari✨

きららダイアリー 毎日きらら☆ 春号


2022年

4/13(水)


入学式だよ。

ということは確か、がっ君先生も入学式なんだよねー。同日、なんだよ。

これって、すごくない?!

これで、さ。もしがっ君先生と一緒の学校だったら……。


あ、ダメ。のぼせる。

鼻血出ちゃう。


良いなぁ、がっ君先生と、同じ学校の子。一緒にお昼食べたり。

もし一緒の学校だったら、私が気合いをいれて、毎日お弁当を作っちゃうよ!

もしかしたら、新刊を読ませてもらえるかも。

それに――。


もしかしたら、もしかしたら。

「希良々、可愛いね」って言ってもらえたりして。


やばい。

想像しただけで、もう尊死とうとし


コミバで握手した時に星伶奈せれなが撮ってくれた写真は本当に宝物。どうして、あんなに優しく笑えるんだろう。それに大人にまじってアーティスト活動をしているわけじゃん?


本当に格好良いよー。




✩✧✩✧✩✧✩✧✩✧✩✧✩✧✩✧✩✧✩



4/14(木)


ちょ、ちょっと待って!

本当に?

本気で!


沙絢さあやに飽きられたけどさ。でも、これは日記に残してしかるべき。


がっ君先生が、Twetterでアップしていた、入学式の写真!

しゃしん!

お写真が。


御写真がっ!


絶対にうちの学校だよー?!

これ、すごくない?!

すごいよねー。

まじ、スゴッ!


コミバの時の写真。

そして、漫画サークル【鷹の目団】

そして、がっ君というペンネーム。

材料はこれしかないんだけれど、名探偵きらりんにかかれば、まったく無問題モーマンタイ


「迷探偵さん、がんばって」

星伶奈、応援ありがとう! 流石、もつべきものは妹だよ。




調査の結果、一人の人物に行き着きました。


鷹橋學たかはしがく君。

1-B……って、私と一緒のクラスじゃん?!


奇跡!

テラ奇跡!

アンコールワット遺跡!


見れば、見るほどにコミックバザール――コミバでのがっ君先生がよみがえってくる。


でも、席が遠い……。

前列廊下側(私)と、最奥窓側(がっ君)


え? ちょっと、黄島さん?

なんで、そんな風に親し気なの?


あ! 目が合った。

あぁ、反らされた。

なんで?!



「ねぇ、希良々きらら?」

 沙絢が私に耳打ちする。


「視力落ちたって言っていたよね? メチャクチャ鷹橋を睨んでいたけど、生理的に受け付けないとか、そんな理由じゃないよね?」

「へ?」


 なにそれ?


 え?

 えぇっ?!


 私とがっ君先生の再会は決定的にズレが生じていたようだった。






✩✧✩✧✩✧✩✧✩✧✩✧✩✧✩✧✩✧✩






4/22(金)



 がっ君先生と話せない。

 その代わり、なんかチャラいヤツがたくさん群がってきた。


 分かってる、私がこういう容姿ナリだから。でもがっ君先生の好みに合わせただけだから。


「ありがとう、希良々。俺のためにいつも、可愛くしてくれて」


 ごめん、吐きそう。


「思いあがんなし」


 沙絢がドついてくれたのを尻目に。

 このままじゃダメだ、って思う。

 私は一大決心して、がっ君先生に歩み寄ろうと決めたんだ。





「あ、あの……鷹橋!」


 クラスメートだから、これくらいフランクでも良いよね。そう思いながら、膝が笑う。恐れ多い。恐れ多すぎるよ!


(ファイト、ファイトよ、きらりん! みんな、オラに元気をっ!)


 でも、びくん――と。がっ君先生の躰が震えるのが分かった。


 カバンのなかには、【コミバ】でがっ君先生から初めて買った「無口だけど、実はおもしろい隣の席のサシロ君に恋した私の話」がある。カバン越し、触れて。本の存在を感じた。


 塾で隣同士になった彼。彼はとても勉強ができる。中学受験で、ナイーブになっていた主人公(私)の目の前で、ストイックに勉強を続け。時に教えてくれて。端から見るとイチャついているように見えるけど、彼はまるで無自覚で。


 中学受験が終わり、それぞれ学校は別々。もう会うことはなくなったけれど。高校で、また再会する。そこから主人公は、勇気を出すのだ。




■■■






 高校受験で、なんのために勉強しているのか分からなくなった私に、がっ君先生はtwetterで、こう言ってくれた。それは、あくまで個人的な呟きでしかなかったけれど。私に向けてのメッセージって思えたんだ。


 ――なんで頑張ってるのか分からない時もあるけれど、どうせならハッピーエンドから始まるハッピースタートを目指したいですよね。


 同じ年だって思えなかった。

 もう、こんなに輝いている人がいる。


 がっ君先生のようには、無理かもしれないけれど。

 私も頑張ろう。


 そう思ったら、勉強に集中できて――志望校に合格することができたんだ。ここから、私もハッピースタートを掴みたい。そう思ったんだ。


 だから、私は勇気を振り絞ぼる。

 とくんとくん。

 痛いくらい、心臓がリズムを刻むけれど。




「あの!」

「……笹倉さ、ん?」

「サイン頂戴!」



 。教室が、沈黙で覆い尽くされた。

 がっ君先生が、口をパクパクさせている。


「そ、それは……」

「うんっ」


 カバンから、マンガを取り出そうとして――。


「……借金しろ……? ってこと?」

「へ?」


 私は目をパチクリさせる。


「なんだ、カツアゲか? それなら、言ってくれたら俺がきっちりと締めて――」


 無粋なことを言うチャラ男Aは、問答無用で沙絢に沈められていた。


「ごめん。僕は今、金欠だから――」


 一目散とは、こういうことを言うのか。がっ君先生がカバンを掴んだかと思えば、全力疾走で教室を出て行く。慌てて追いかけようとして――。


「ふんぎゅっ、黒のレース……!」

 思わずチャラ男Aを、もう一回踏んづけてしまった。








【オンライン投稿サイトカケヨメ エッセイ部門 ギャル系オタの推し活日記 きららダイアリー 毎日きらら☆ 毎日連載中】


Written by @kirari(がっ君先生が尊すぎる、マジ好き、好きすぎ! 本当に大好きです!)






________________




本当の作者注


本編は終了しましたが、完結するとは言っていない!

夏休み、まだまだこれからだよね?


※作中作品

「無口だけど、実はおもしろい隣の席のサシロ君に恋した私の話」

こちらは、フォロワーの佐伯 久芳(サシロ)様をモチーフに勝手にプロットを考えてみました(^^ゞ


尾岡、こういう読者様とのコラボが好きで。


もしご不快の場合は、申し出ください。

何卒よしなに(・_・)(._.)

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