第131話 ドミネーション +大事なお知らせ
新ダンジョン第一層に足を踏み入れた俺たちを出迎えたのは、ヤギの頭と人間のボディ、そして漆黒の翼を持つグランドデーモンたち。
グランドデーモンはゲームにも存在したモンスターで、攻略推奨レベルは40~50。
魔王城近くのダンジョンにも雑魚敵として登場するモンスターだ。
高水準に纏まったステータスと闇魔法を得意とするモンスターで、同種族が近くに居ると能力値がアップしていく特殊能力を持っている。
学園長たちがまとめてくれた資料によると、この階層で最強のモンスターらしく、かなり苦戦したようだ。
ゲームではわからない要素だったが頭もかなりいいらしく、こちら側の言葉を理解しているとのこと。
そのため、味方への指示を理解されてしまい、より苦戦させられたのだろう。
「メェエエエ」
身構えるレオンたちだったが、数十体に及ぶグランドデーモンたちは兵隊のように一斉に膝をつき、頭を垂れる。
「メェ。お待ちしておりましたリュクスさま」
「ご苦労」
「いやご苦労ってなに?」
「どういうことですかリュクスくん?」
「いや簡単なことでさ。俺、昨日のうちにここに来てたんだよ」
昨日、メンバー選出が終わり学園長と別れた後、俺は単身でダンジョンにやってきた。
資料にて一番強いとされていたグランドデーモンたちをドミネーションで配下とし、この階層の調査と他モンスターの殲滅などの雑務を命じておいた。
「学園長たちが攻略した場所をまた一から攻略するのも無駄かなと思ってさ」
「へ、へぇ……そうなんだ」
「凄いわね」
ちょっとやり過ぎたか?
なんかみんなが引いているような……。
「と、とにかく。第一層のボスのところに行こうぜ」
俺はグランドデーモンにマッピングさせた地図を受け取りつつ、みんなに呼びかける。
「あ、これは素材ですね!」
「メェエ。ここのモンスターを倒し手に入れた各種素材、及び全部の宝箱をここに」
「うわぁ種類ごとに分類されてて助かるっす~」
「素材の運搬はイブリスのアイテムボックスに任せていいんだよな?」
「もちろん。自分はそのために来たっすから。じゃあ収納しちゃいますねー」
イブリスが大量の素材をアイテムボックスにしまっている間に、俺たちは今一度、学園長たちがまとめた資料を確認する。
第一層のボスモンスターはクインズデーモン。
概要は巨大な体を持つグランドデーモンといったところか。
「まぁババアが勝てたくらいだし余裕だよね」
「レオンくん。油断は禁物ですよ」
「とはいえ、王女様の聖なる炎が当たれば容易に攻略できるはずです」
「ええ!? またリィラの聖なる炎!? あれ使われるとつまらないんだよなぁ」
「クレア? つまらないとはどういうことですか?」
まぁ確かに。
大抵のモンスターはリィラの聖なる炎で一発だ。
それに、もしクレアが戦ったとしても余裕の相手だろう。
ここまで彼女たちヒロインがチートクラスに強いのは、ゲームでは5人の内、ルートに入った一人しかパーティーに入れられないからだ。
だがこの世界では、本来一人しか仲間にできないはずのヒロインを4人もパーティーに入れている。
正直負ける気がしない。
「お待たせしました。素材の回収、終わったっす」
「お疲れイブリス。でもまだ回収する素材は残っているから、ちょっと待っててくれ」
「え?」
「グランドデーモンたち。自害しろ」
「メェエエエエ! よろこんで!」
グランドデーモンたちは敬礼をした後、自らの腕で首を切り裂いた。
同時に、グランドデーモンの身体は光の粒子となって消滅。
何体かからは素材アイテムである【デモンズコア】がドロップした。
「わーいレア素材っすー」
「「「……」」」
はしゃぐイブリスと、ドン引きする他のヒロインたち。
「な、なんだよ。この方が効率いいだろ?」
「ですがあまりいい光景ではありませんね」
「あはは。ちょっと面白くないかもね」
「夢に出そうだわ……」
なんだよみんな。そんな目で俺を見るなよ!
「へこむわ~」
「よしよしリュクス。かわいそうに。ボクが慰めてあげようね」
「頭さわらんといて」
その後、俺たちはイブリスの素材回収を待って第一層ボスモンスター、クインズデーモンのところへと向かうのだった。
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お知らせ
僕の執筆スタイルとして、会社が休みの土日に時間を作ってまとめて一週間の投稿分を執筆。
その後、微調整しつつ隔日投稿していくという感じでやってきました。
ですが次の土日、両方とも執筆に仕える時間がなく、またこの話数以降のストックもない状態です。
ですので次の投稿が早くて来週の火曜以降…平日執筆は仕事の疲れからうまくいかないこともあるので、下手すると4月6日の土曜ぐらいになってくる可能性があります。
お楽しみいただいているところ申し訳ありませんが、ご了承ください。
出来れば小説のフォローは外さずにお待ちいただけると嬉しいです。
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