主人公の僕は、新開発されたプログラムのプレゼンテーションの場にいた。僕が開発したのは、インストールした人物との会話のやり取りや、ネット上の情報を常に学習し、ユーザーに最適な疑似恋愛相手を提供するというものだった。後発品と言われながらも賛同を得て、このプログラムはアプリとしてリリースされ、順調な滑り出しを見せる。
ところが、ある時期から登録者数に翳りが見え始める。そこで僕も自分が開発したアプリをダウンロードした。すると、疑似恋愛相手として画面上に現れたのは、僕のかつての恋人だった。偶然だと、僕は思おうとした。
しかし、疑似恋愛相手は、まるで本物のかつての恋人のように会話してくる。一方で、核心に迫る質問をすると、いつもAI的な回答しか返ってこない。
果たして、この疑似恋愛手はかつての恋人なのか?
それとも、ただの偶然か?
僕はその真相を確かめるべく、彼女と過ごした故郷に向かう。
哲学的な言葉の表現で紡がれる、美しいSF。
これは、この作者様しか書けない作品だと思います。
是非、是非、御一読下さい。