第六章:失恋。
6/24日
珍しく宝城さんが、休み時間によく来る。普段昼休みに、時々休み時間の合間に来る位だったので、暇なだけかな、位に思っていた。
これなら告白するタイミングも見つかりそうだ。俺は宝城さんに、自分の思いをしっかり伝えたいと、前々から考えていた。
いっしょに遊んでいるうちに、ある異変に気づいた。
今日はヤケに遠藤と一緒にいるし、普段あまり関わっているのを見たことが無かったのに、一段とベタベタしている。
毎回休み時間に来るので、いつもの四人で遊んたり、雑談をしながら、二人の様子を観察をしていた。
だが結局、何も解らないまま終わった。
そして、告白するタイミングは一向に見つからず、気が付けばもう、帰りの会。(結局今日も言えなかったな…。)なんて、考えていると、絶好のチャンスが到来する。
皆で一緒に帰ろうと、宝城さんが俺のクラスの帰りの会が終わるのを待っている。
先に他の人を返して、二人きりに出来れば、告白できる。俺の思惑は上手く行った。
二人きりに出来、告白も出来た。そして遂に…
俺「あの…宝城さん。お話良いですか?」宝城さん「うん、良いよ。なぁに?」俺「実は…その…えっと…俺、宝城さんの事が好きで、その…良かったら俺と、付き合ってくれませんか?」宝城さん「…考える時間が欲しい。」俺「あ、やっぱそうですよね…。」
もしかしたら、宝城さんと付き合えるかもしれない。その時はそう思っていたが、現実はそう甘くは無かった。
土、日浮かれていたが、後からこんなのと付き合ってくれた場合、クズな俺見てどう思うか、俺は怖くなってきた。来たる月曜日。結果が出た。思っていた通りの結果だった。
宝城さん「 磯島君、先週の話なんだけど…実は私、他に好きな人がいます。だからゴメンね。 」
俺「あ、やっぱそうですよね…当たり前だった…」
何となく薄々勘付いてはいた、好きなのは恐らく遠藤だろうと。
その時はそこまで悲しくは無かったが、フった直後、目の前でイチャ付き始めた。
その姿を見て、涙か止まらなくなった。どうやっても胸の痛みは消えないし、涙は止まらない。 これが 【失恋】というものか、初めて痛感した。
その日から何をしてても楽しくないし、何を食べても味はしなかった。
一、二ヶ月立って、やっと立ち直れた。結ばれて良かったね、今はそんな感情が湧いて来る。
フラれた後も、仲良くしてくれるし、一緒に遊んでくれる、僕はそれだけでも嬉しかった。
立ち直ってからの日々はまたいつも通りの楽しい毎日。
最近はよく浦三と一緒に、遠藤や宝城さんの事をからかう遊びにハマっている。結婚しちゃえ、とか、キスしちゃえ、とか色々な事を言って、からかっている。
彼女も「んも〜やめてよ〜恥ずかしいよ…。」等とかなり照れている。遠藤も同等、いつも言われる度に気まずそうにしている、嫌がってはいないので、恐らく大丈夫だろう。
そんなこんなでそろそろ一学期ももう、終わりを迎える。
あっという間過ぎて、誰かが時間でも操作しているのではないか?そんな考えが頭に浮かぶ。
第六章(終)
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