第三章:初恋。

04/10


今日は身体測定があるらしく、保健室に向かうことになった。どれぐらい背は伸びただろう、あまり変わっていないような気もする。

何気なくクラスメイトと話をしていると、ある人に目が止まる。


とてもつもなく可愛い容姿した女の子だ、制服を見る感じ、中学部の子ではなさそうだ。


一年にこんな子はいない、そうなると歳は俺より上、身長の低い俺よりも小さかったので、年下だと思い込んでいたが、どうやら違ったらしい。


彼女を見た途端、俺の背中の辺りがビリビリと痺れてきて、心拍数も上がってきている。

何だ?初めての感覚で、何が起きたのかも解らない。


後になんとなく気づいたのだが、もしかすると、これが恋という物なのかも知れない。

と言うと、今まで恋という物をした事がなく、当時はこれが本当に恋なのかが全く解らなく、判断が難しかった。


しばらく呆然としていると、扇蛾先生が彼女に話し掛けた。


扇蛾先生「どうしたの?」???「え?あ、いや、先生に教室で待っててって言われたんですども…待ってても来なかったので、様子を見に…」

扇蛾先生「 キミは何年生? 」 ???「高三です。」


パッと見控え目な子のように見えた。


先生方が話していると、彼女の担任がやって来た。

高三教師「宝城さん、ごめんね、もう少しで終わるから、待っててね。」

???「 あ、はーい。」


しばらく呆然とした時間が続いた。ふと後ろを見ると、奏君が彼女に手を振っている。


俺「知り合い?」浦三「小学生の時から彼女も、遠藤も、同じ学校だったんだよ。」

俺「ほぇ?マジ!?」浦三「おん。」俺「すげぇなw」浦三「そうかな?別にあり得ることだろ。」俺「それもそうだなw。」二人「wwwww」


俺はこのまま教室に戻った。


だが、この時はまだ、これが悲劇の前兆だとは気づきもしなかった。


第三章(終)

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