第14話
会社の最寄り駅に入る。まだ五時過ぎというのもあってか、人は少ない。
改札にIC定期券をかざすと電子音が鳴ってゲートが開いた。
何故かホームまでの道がやたらと長く感じたのは一体なぜだろう。
ホームに降り、自販機にもたれかかる。スマホをポケットから取り出して開く。
やはり何件もの通知がきている。SNSのフォロー通知、LINE公式垢のメッセージ、
はたまた明らかな詐欺メール、それにエッチなスパムまで。
それらを全部スワイプして消してしまう。すると画面には時計のみが表示される。
これが素の状態であり、一番落ち着くのである。
そのまま時計を眺めていると通知が飛び込んできた。
誰かからのLINEだ。知らないユーザーからのメッセージらしい。
普段ならシカトしてしまうが、無性に興味がわいてきた。
ちはると名乗るユーザーから一枚の写真が送られてきたようだ。
どんな写真なのか気になる一方で、明らかに不審なLINEを警戒した。
俺の情報が漏れることはまずない。なら―スマホに侵入されたか?
いや、セキュリティソフトを入れているし変なことはしていない。
ということは俺の知っている範囲か。一体誰だというのだろうか。
トーク画面に手が伸びる。ただ、少し怖い。それでも興味の方が強い。
俺は一旦このLINEは放置して他のことを考えようとした。
しかし、なかなかLINEが頭から離れない。困ったもんだ。
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