第13話

ポッポッ、ポーン。午後五時の時報がなった。

さぁ、そろそろだな。五時から男は飲み会には出ずに直で帰宅です。

家に帰って待っているのは蒸し風呂状態の部屋。あとは冷凍食品。

最近の冷凍食品はかなり凝っていて、手料理よりも美味しいものが多い。

特に餃子。それと、生みそタイプのレトルト味噌汁はすごい。

お湯を注ぐだけで手作りレベルの味噌汁が具ありで飲める。

資料はさっき出したので、あとはそそくさと帰るだけ。

ロッカーに行き、中に羽織を入れる。え?なんで夏なのに羽織って?

このフロアだけ空調の設定温度が23℃になっている。

原因?太っている課長が勝手にいじっているだけ。あぁ馬鹿馬鹿しい。

若い女の子は震えているのにガン無視で23℃設定。

ただ、前は16℃設定だったのでまともっちゃまともなんだが。

ここのビルは全館統一空調ではないので、各フロアで温度が変えられる。

そんなことを考えているエレベーターホールまで来てしまった。

下へ行くボタンを押してぼぅっと立っている。

間もなくしてポーンという音がしてドアが開いた。誰も乗っていない。

さすがにまだみんなフロアかな。と思いつつも1階のボタンを押して閉める。

ぐぉーんという音を立てながらゆっくり降りてゆく。誰も乗ってこない。

乗ってこないかなぁ。なんて考えているうちに一階に着いた。

エレベーターを降り、ガラス張りの自動ドアを出る。

たちまち、もわっとした空気が体に纏わりつく。暑すぎる。

地球温暖化を肌で感じている気がするが、昔もこんなんだったっけ。とも思う。

俺は駅に向かってとぼとぼと歩き始めた。

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