第9話

‶大事なことはね、嘘のど真ん中にちょこっと真実が紛れてることなんだよ〟

yahooに並ぶ刺激的な見出しは、大体が釣り記事や誇張記事である。

ただ、そのニュースの中には誇張のように見えるものの中に

真実を伝えようとするものが存在するのもまた事実である。

まぁ見て面白ければ釣りでもなんでも良かろう。小説と同じだろう?

時計は午後三時。小休憩の時間だ。

社内の自販機に行き、缶コーヒーを買う。

チャリン、チャリン、ピッ、ガコン、ふぅ。癖になる音だな。

そうだ、うちのグループの若いコにも買っていってあげよう。

あいつはコーヒーではないかな。まぁいいや。

缶コーヒーのタブに手をかける。「カコッ」というという軽い音がして

フタが外れる。コーヒーの香りとミルクの甘い香りが漂う。

口に含むと心なしか心地よい気分になる。思わずふぅ、と息を吐きだす。

プレミアム・ボスのコーヒーが一番好きだ。あのコーヒーは美味しい。

逆にキリンファイアは酸味が強すぎてあまり好みではない。

っと、そろそろ一応デスクに帰った方が良いか。電話来るかもだし。

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