幕間【神鳴、人智にて解明せし事】・ショウタイの変
皇紀一五六一年のこと
時の左大臣・
菅原道真並びにその仲間が、天皇の周りの役職を固めるのを良しとしなかったためだ。あることないことを並べ立て、彼を宮中の外に追い出す。
それが藤原時平の望みであった。
だが、帝は首を横に振る。
「嘘をついているな」
「何をおっしゃいます」
隣にいた従者が、そっと耳打ちをする。
「しっかりと聞いているのだ。藤原家の地位を盤石とすべく、お前が右大臣を追い出したいという強い野心を持っておることに……この件には、きちんとした処分を申し付ける」
その後、藤原時平は大宰府へと左遷される。
九州という都から遠く離れた僻地にて、失意のまま病没した。
対して菅原家は、多種多様な学問に秀で、帝が何代にも渡って重要な職を与えて寵愛した。
現在でも、菅原家は宮中の重要な職務に就く者、都の大学にて教授となる者もなど、優秀な家柄は健在である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます